店より

くらすこと文庫:子どもと一緒に読みたい絵本

おかあさんになったとたんに始まるおしごとのひとつに「絵本の読み聞かせ」があります。
0歳のときは、赤ちゃんと一緒にごろごろしながら、簡単な絵本を眺めているだけでもしあわせだったのが、
だんだん小さな子たにちも好みが出てきて、同じものを(しかも同じページを)飽きずに眺めていたり、
おかあさんの好きなのとはちょっと違うなっていう本を選んだりもしてきます。

どういう絵本がいいんだろう?

そんなふうに迷うこともあるかもしれません。
富士見ヶ丘にある”くらすこと”の店には、小さめではありますが、来てくださるみなさんと共有したい本を置いています。

大人の本や雑誌ももちろんありますが、絵本や子どもたちも楽しめる本も。
その中でも、読むとおかあさんもふっと心が軽くなる本をいくつかご紹介させていただきますね。

まずは、ほのぼのとした懐かしい絵が印象的な1冊。
『そらいろのたね』なかがわりえこ文 おおむらゆりこ絵。
そう、あの「ぐりとぐら」シリーズを書いた姉妹の作品です。
ある日出会った「ゆうじ」と「きつね」はお互いの宝物を交換します。きつねにもらったのは「そらいろのたね」。
このたねから出たものは――? 

いったい、何だと思いますか? 
ページをめくりながら、わたしが考えたものはどれも外れていました。
こどもの持つ自由な発想力のすごさ。
それがぐんぐん広がることの楽しさが
暖かいイラストから伝わってきます。

こちらも子どもの頃読んだという方も多いのではないでしょうか。
『かいじゅうたちのいるところ』モーリス・センダック。
私も久しぶりに手に取ってみて、絵のすばらしさに息をのみました。
夜のダンスのシーンがもう…! 最高です…。 
そして大人になって読んで改めて気づいた良さが、ひとつありました。

この物語に登場するのは、少年と怪獣たち。
おとなはひとりも出てこないんですね。
それでもふわりと、じんわりと感じられる「おかあさん」の存在。
ああ、子どもを見守るってこういうことなんだ、
と優しく気づせてくれる作品でもあったのでした。

もう一冊、母としてのあり方を教えてもらったのが、
『くんちゃんはおおいそがし』ドロシー・マリノ。
ほんわかした絵のこぐまのくんちゃんを主人公にした、
子どもたちに大人気のシリーズです。

さて、題名にくんちゃんはおおいそがし、とありますが、
冒頭で忙しくしてるのは、くんちゃんのおかあさん。
当のくんちゃんは退屈しちゃってたいへんなんです。
それが、どうして「おおいそがし」になっちゃったのか…。
子どもにとっての「たいくつ」であることって
こんなに大切なのか、と日々の接し方を考えさせられました。

車ファンの男子をお持ちのおかあさーん! 
読むものぜーんぶ「くるま!」になっていませんか? 
うちの長男(5歳)も3歳くらいまではそうでした(涙)。
0歳のときから絵本は当然クルマ一辺倒。
「もう車の本はいいよ〜」と思っていたのですが、
『しょうぼうじどうしゃじぷた』渡辺茂男作 /山本忠敬絵は違いました。

山本忠敬さんの細部にまでこだわった絵が、息子にはどんぴしゃ。
そして、わたしも豆っこ消防車じぷたががんばる姿にほろり。
こういう絵本に出会えたことで、子どもとわたし、両方が楽しめる本を取り入れていけばんいんだな、と気づくことができました。

続いてはこちら『ふるやのもり』作: 瀬田 貞二 絵: 田島 征三。
「まんが日本昔話」にも登場し、日本各地で古くから語り継がれていたというこのお話。
古い家に住むおじいさんが、一番怖いものは?

使われている言葉や、絵柄や色合いは小さな子どもたちには
あまりなじみがないものかもしれません。
でも、パパやママも使っていない昔のおじいさんおばあさんの言葉や
なんだか見たことがないけれど、引きつけられてしまう迫力のある絵に
子どもたちのこころは不思議と魅了されるはずです。
絵本を通して伝えられる、素朴な日本の昔話です。 

今日ご紹介する最後はこちら。
これまでのが懐かしのロングセラーならば、こちらは
今、この時代に次々と名作を作っている荒井良二さんの作品。
『あさになったのでまどをあけますよ』

世界のさまざまな場所で聞かれる、
「あさになったのでまどをあけますよ」の声。
その窓の向こうに見えるものをみて、ぼくやわたしがいいます。
「やっぱりここがすき」。
その繰り返しが、この世界や、この平凡な毎日が、
こんなにも美しいのだと、感じさせてくれるすばらしい一冊です。

ほかにもたくさん、幅広い年齢の子どもたちが楽しんでくれそうな、そして読んであげる人の心にも残る名作をそろえています。
長い夏休み、”くらすこと”の店でお子さんと一緒にごはんやおやつを食べながら、絵本タイムも楽しんでいただけるとうれしいです。(た)

 
(2015年7月22日)

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