JUNICHI OGAWA

季節のレクチュール #2・春 その3
Lecture des Saisons #2 – Printemps – 03

構成・文 松本 あかね
写真 有賀 傑

※レクチュールlecture:(仏)古くはレッスン、講話という意味を持つ言葉

「季節のなかのわたし」をテーマに、セラピストの小川純一さんが3回にわたり、
毎日のなかにとりいれたい、心と体のためのひとときを提案します。

許しのレクチュール
〜許し合う

自分を許し始めたら、次は
みんなを許してひとつになるためのレクチュール

「清らかさ」から世界を見る

アメリカの思想家、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの春についての文章の中に、「僕らは取り戻した清らかさで隣人の清らかさを見抜くことができる」という言葉があります。体も心も浄化される春、その清らかになった心身で見るこの世界は、どこまでも美しいことでしょう。

ソローがいうように、自分を「清らか」にすることで、自然と世界の感じ方は変わります。またそれは自分の中に清らかさや光をちゃんと見て、希望を持っていないと、相手のできていないところばかりに目がいって、その人の光を見ることができないということでもあります。

光にフォーカスする

よく、できていないところを伸ばすとか、短所を克服するというけれど、いちばん大切なのはその人の長所の方。何が得意で、何がその人の中の光なのか、僕はそっちの方が重要だと思っています。

逆にいうと、その人がどうしてもできないこととか、進められないことは、もしかしたら、しないでいいことなのかもしれない。もしかしたら、方向がずれていてアプローチが違うのかもしれない。心と体からちゃんとメッセージを受け取っておかないと、そこがわからなくなってしまうんですね。そしてそこを無理にがんばってしまうと、どんどん自分を追い詰めていくことにもなってしまう。

もしいつも自分の中に光を見ることができていたら、希望に満ちた毎日になるし、光に満ちた毎日になるし、清らかでいられる。そうしたらわたしたちの周りにいる家族や仕事仲間とも、自然に「清らかさをもって清らかさを見る」関係になっていくのだろうと思いますね。

テーブルを囲んでひとつに

春はよく庭にテーブルを出してごはんを食べます。本当に好きな人たちを呼んで。自然の中でごはんを食べると、みんな笑顔になるんです。

自然は調和しています。植物たちは誰もが自分を認めていて、自分がよもぎであることもタンポポであることも、否定していなくて。そのただ「ある」という存在のなかに身を置くと、心がほぐれていくのがわかります。そしてその影響を受けて、わたしたちも、ただ「ある」自分、ただ「ある」相手を受け入れることができるのかもしれませんね。

食事は生きることそのものの行為でもあります。ひとつのテーブルを囲んで同じものを食べること、時間を共有すること。そのことでひとつになれると感じています。

季節のひとさら –– 苺シロップ

苺の旬は春

苺ってハートの形をしていますよね。春らしいかんじがしていいなぁと思います。クリスマスの頃から出回るので、冬が旬だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、本来の旬は4〜5月。じつは5月の露地栽培のものがいちばんおいしいんです。

お砂糖のはなし

このレシピでは洗双糖という粗糖を使っています。粗糖や黒糖、メイプルシロップなど、ミネラルが含まれている甘みは、体にやさしく吸収されます。白砂糖は甘みがはっきり感じられてそのときの満足感はあるけれど、僕の場合は体が冷えやすくなったり、だるくなったりしてしまうので、穏やかにだんだんと体に伝わってくる甘みのほうが合うかなと思って、使っています。

僕にとって甘いものは自分へのご褒美。ご褒美だからこそ、摂りすぎないように意識して、質の良いものを選ぶようにしています。良質なものをとると、少しの量で満足できるものですから。

苺シロップ

(約500mlのシロップができます)
苺 2パック(約600g)
洗双糖(もしくはきび糖) 300~350g
レモン汁 2個分
クローブ 6粒
※香りも味もきゅっと詰まった小粒の苺を使用するのがオススメです。

(1)苺はきれいに洗って水気をしっかり切り、ヘタを落とす。
(2)(1)を鍋に入れ分量の洗双糖をまぶし、苺の表面がしっとりするまで1時間ほど置く。
(3)(2)にレモン汁とクローブを入れ、やや強火にかける。沸騰したら弱火にし、アクをこまめに取る。
(4)15分~20分ほど煮て、しっかり水分が出たら、さらしなどで漉してできあがり。

*冷蔵庫で約1週間保存できます。
*ソーダやミルク、豆乳やヨーグルトなどにお好みの濃さで割ってお召し上がりください。ワインで割っても美味しいです。
*飲み物のほかにも、サラダのドレッシングに、漉した果肉はジャムとして使ったり、お菓子に入れても。

離れていくもののはなし

僕の周りには、お酒が飲めない人や、飲みすぎないよう心がけている人が多いです。乾杯はジュースやソーダ、肌寒い日は温かいハーブティーにすることも。

お酒はストレスがたまっていると飲みたくなるもの。僕も昔ストレスに悩まされていた頃は朝まで飲んでいたこともあったけれど、自然のリズムに沿った生活をするようになってから、ほとんど飲めなくなりました。それだけ、毎日の生活に無理がなく、お酒に頼らなくてもありのままの自分でいられるようになったからだと思います。

自分を許すことができて、自分がありのままでいることを認められるときがくると、なにか一つ、これまで自分が頼っていたものが、ピッと離れていくんです。「あ、これもいらなかったんだ」、「これもいらなかったんだ」っていう具合に。
僕の場合はまずお酒。そのあとは物もこんなにいらなかったとか、こんな物を食べてたけど、これもいらなかったとか。自分らしくいることを認めたら、離れていくものが出てきて、それでもっと身軽になっていくことができるんです。

身軽になって得たもの

本当の美しさとか、本当の楽しさって、こういうものかなっていう感覚には、ここで暮らすようになって気づくようになりました。たとえばこの春の自然を見て、ああ美しいとか。

春の初め、まずはウグイスが鳴き始めるんですけど、ウグイスって最初は「ホーホケキョ」ってうまく鳴けないんですね。それでクスッとしたり。庭に舞い込んできたメジロがスッと枝に止まった姿が、ほんとうにきれいだったり。あとは丁寧に料理をして、みんなで囲むテーブルの楽しさとか。そういうのって、お酒を朝まで飲んでいた頃には出会っていなかった美しさ、楽しさなんです。

自分を許すことができたとき、わたしたちは新しい自分に出会い始めます。そのときわたしからは何が離れていくんだろう。何が美しいと感じられて、どんなことにわくわくするんだろう。そんなふうに新しい自分に起こり始めることを楽しみにしながら、許しのレクチュールを進めていってくださったらと願っています。

MEME

「本当の私と出会う」をテーマに、スピリチュアルな感性をもっと身近に感じるスピリット&ライフマガジン『MEME(ミーム)』。カウンセラーであり、アーティストである小川純一さんが自ら編集長になって立ち上げた小さな冊子です。

MEME spirit&life magazine issue #01
MEME spirit&life magazine issue #02

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《季節のレクチュール》の記事

  • 空気が澄み、月の美しい秋の夜は、心をきれいにしてから休みましょう。季節のレクチュール最終回は、「夜の瞑想」についてお話します。

  • 夕暮れは夜の始まり。灯りの質に気を配ることで、うっとりするような心地よい時間が生まれます。心がほぐれる灯りについて、レクチュール。

  • 一年に渡ってお贈りしてきたセラピスト小川純一さんの季節のレクチュール。締めくくりは、秋。夏の疲れと、秋のもの哀しさを癒してくれるハーブティのご紹介から始まります。

  • 最終回は、深い森の中へ。夏に命を茂らせる植物に力をもらい、レモングラスのハーブティで体を潤しましょう。

  • 夏のレクチュールその2は、小川純一さんによる鎌倉店案内。心も体も元気になる町の”パワースポット”をご紹介します。

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