adansoniaのシュトレン 2019

この時期に日本中のファンが、心待ちにしている“adansonia”のシュトレン。
その人気の秘密に迫るべく、お店のある糸島にお話しを伺いに行きました。

作り手の想いが宿るお菓子

店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、天井からつり下げられた大きなドライリーフのデコレーション。その周りを優しいオレンジ色のハンギングライトが静かに、柔らかく、店内を照らす。
サンタクロースを手伝う小人のトテムが、あちらこちらから飛び出してきそうな店内は、クリスマスが近づいたこの時期にぴったり。そこで産まれるクリスマスのお菓子、シュトレンは、アダンソニア のお菓子担当、前田ゆかりさんの手で一つひとつ丁寧に作られる。

photo:YOSHIKAZU SHIRAKI

「ちょっとずつ食べてクリスマスを待つという、シュトレンの持つストーリーが、たまらなく好きなんです。それに、シュトレンは、お菓子の中でも気持ちを込めやすいお菓子。作っている人の想いがストレートに伝わりやすいからこそ、力も入るし、大変だけどわくわくしながら作れます」と少女のようなキラキラとした目で話すゆかりさん。

赤ちゃんをくるむように、丁寧に作られた布で

ゆかりさんのお菓子作りは歴史が長い。子どもの頃に実家が買ったオーブンレンジに付いてきた冊子が、彼女の最初の料理本。学校から帰ってランドセルを下ろすと、その冊子を開き、載っていたレシピのお菓子をいくつも作り、かわいいラッピング材でお菓子を包んで友達にあげる、というのがゆかりさんの日常だった。

アダンソニア のシュトレンも同じ。「美味しく食べてもらえますように」「クリスマスまでの毎日がたのしくなりますように」という想いを込めて生地と漬け込んでいたフィリングを混ぜ合わせ、焼く。それをどんな風にラッピングしたら喜んでもらえるだろうと考えた時に、知り合いの沖縄在住の布作家の方に、一枚一枚縫い合わせてもらったパッチワークの布で、赤ちゃんを包むようにしてシュトレンを大事にくるんでお届けしたいというアイディアが浮かんだ。

「主張はしないけれども、そこにはしっかりと作り手のぬくもりが残された布。工場に頼むよりは、自分たちに近しい人の手で丁寧に作られたもので、とそこにもこだわりました。シュトレンを食べてしまった後は、お弁当の包みにしたり、見せたくない場所にかけて目隠しにしたりして楽しんでほしい」と、料理担当で夫の達也さん。

心を遣い、我が子を想うように

シュトレンを食べ終わってからも、「この布は残るから」と、自分たちのお菓子を食べてくれる人への食べた後までの心遣い。手間を手間と感じることなく、自分たちの作るものに対しての細部にまで渡るこの心遣いこそが、アダンソニアのシュトレンが一瞬で完売する理由なのだろう。

そんなことを考えていると、ゆかりさんが、子どもたちがサンタクロースに宛てて書いた手紙をどこからともなく持ってきて見せてくれた。

その表情は、さっきの幼い頃のお菓子作りのことを話してくれた時よりも、ずっと優しくあたたかい母の顔。シュトレンに込める想いをゆっくりと話してくれた時と同じだった。この人の手で、我が子を想うように、大切に作られたシュトレンを、一人でも多くの人に食べてもらいたい、心からそう思った。

一切れ一切れ、クリスマスを待ちながら 

ピスタチオ、イチジク、ピスタチオやマカデミアナッツなどのフィリングを、ちょうどいい分量で混ぜ込んだ今年のシュトレン。バターやお砂糖もしっかりと使った、誰の口にも「おいしい」が伝わる逸品。
「薄く切るたびに、「今日はピスタチオが入ってた」「今日はマカデミアナッツだった」と、楽しみながらクリスマスを待ってほしくて」とゆかりさん。
薄くきったシュトレンは、そのまま食べても、アイスクリームにのせてお子さまのおやつにしたり、厚めに切って温め直して、熱々のハーブティーやコーヒーと一緒に召し上がるのもおすすめなのだとか。お酒好きの人は、赤のホットワインと一緒に。

シュトレンとあわせて、アダンソニアの二人がクリスマスプレゼントに選びたいお品をセットにした、今年のadansoniaボックスを二種類ご用意。

「シュトレンとセットにさせてもらったお品は全て、僕らが今まで歩んできた道中で出会えた、かけがえのない宝物のような人たちが作るもの。違う時期に、違う場所で出会ったけど、みんな僕らの大切な仲間たち。ボックスを見ると、まるで僕らの年表を見ているようです。」

アダンソニアの二人の年表を覗いてみるような気持ちで、クリスマスボックスをお楽しみください。

adansonia クリスマスボックス A

商品写真:haruki anami

adansoniaのシュトレン、“tsumugi”のリースかブーケ、と“蓼科ハーバルノート・シンプルズ”のクリスマスティー、自然と向き合う三組の手仕事が詰まったボックス。

植物に対する真摯な姿勢と、
センスの良さが伝わるリースとブーケ

ボックスAの一つ目のお品は、畑で植物を栽培し、店に並ぶほとんどの草花が、自分たちの手で育てたり採取したものという“tsumugi”のリースやブーケ。
植物を愛でながら、店舗のディスプレイから花屋の運営まで行い、その植物に対する真摯な姿勢と自然な花のあしらいのセンスの良さから、とても多くのファンがいる花屋さんです。

アダンソニアの二人と、tsumugiのさわむらひなさんの出会いは、さわむらさんが、友達の誕生日ディナーでadansoniaを訪れた日。誕生日の友達がもらっていた花束に一目惚れしたゆかりさんは、それ以来、tsumugiの大ファンに。

「お花や草木に向き合う丁寧な姿勢やあの世界観が好きなんです。子どもの卒園式に2度ほどコサージュを作っていただいたんですが、どれも素敵で。コサージュを使った後に束を解いてみると、お花を束ねた紐はぎゅっと結ばれずに、優しくふんわりと結ばれていました。そういうところに植物に対する愛情を感じます。また、毎年7月のお店のオープン記念日に、お友達からtsumugiさんのブーケをいただくのですが、お花の茎の処理などのハサミ使いがとても繊細でいつも感動するんです」

自然のものに日々関わり、“作る”ことをしながら過ごしているゆかりさんだからこそ、さわむらさんの仕事を尊敬し、共感する部分があるのだろう。

「日常にそっとなじみ、暮らしにとけこむようなものでありたい」
そういう想いで、さわむらさんの手で採取した植物を丁寧に紡ぐように作られたリースとブーケ。壁にかけたり、テーブルに置いてキャンドルを真ん中に立てたり、ペンダントライトと合わせたり。クリスマスが終わっても、リースやブーケを見るとほっとするような、そんなしつらえとして長く楽めるグリーンたち。

葉っぱやお花のリース、束ねたてのブーケなど、今、手に入る季節のものを使い作られた植物は、どれが来るかはお楽しみ。種類はお選びいただけませんが、ひとつひとつ異なる植物との出会いを、ぜひお楽しみください。

“僕ら”の大好きなハーバルノートが
ブレンドするクリスマスティー

もう一つのお品は、長野県茅野市の森の中に佇む、ハーブとアロマテラピーの草分け的専門店“Tateshina HERBAL NOTE simples(蓼科ハーバルノート・シンプルズ)”のクリスマスティー。アールグレイティーに、チョコレートティーをブレンドし、オレンジピール、レモンバーム、ローズヒップを入れた期間限定のお茶。コクがあり、ハーブとピールのしっかりと立ち上る香りが特徴。adansoniaでは、この時期の風物詩として、こちらのクリスマスティーが店頭に並ぶ。

「うちが郊外でお店をやろうと決めたのも、ハーバルノート・シンプルズさんの他、長野の森の中でお店を営む方々のように暮らしたい!と憧れたのがきっかけ」
「僕らの大好きなハーバルノート・シンプルズの雑味のないハーブティーをぜひみなさんにも紹介したくて」と、熱い想いがゆかりさんと達也さんの口から溢れ出た。

tsumugiのリースの真ん中にキャンドルを立て、ハーブティーをシュトレンといただきながら、静かに聖夜を待つ。大人のアドヴェントを楽しんで。

Adansonia クリスマスボックス B

adansoniaのシュトレンとオリジナルコーヒードリップパック、 ハーバルノート・シンプルズのクリスマスティー、“くらすこと”オリジナルのグラノーラを詰め合わせた、おいしいものボックス。

店主のこれまでのコーヒー観を
ひっくり返したコーヒー

ドリップパックは、オーガニック、フェアトレードの豆など、こだわりの豆を焙煎する、糸島のペタニコーヒーにブレンドしてもらった、オリジナルブレンドコーヒー。

「初めてペタニコーヒーに出会った時、コーヒーは濃くて苦いのが美味しいと思っていた、僕のコーヒー観をひっくり返してしまうような、軽くて甘くてスッキリとしたコーヒーで、まるで初めて出会う飲み物のようでびっくりしてしまったのを今でもはっきりと覚えています。そんなペタニコーヒーさんに、コース料理の最後に出すコーヒーをドリップパックにしてもらいました。何度も意見をすりあわせて、試作を作ってもらい、出来上がったコーヒーです。華やかなアロマ、最初に果実の味がして、最後に柔らかな酸味が残る。ご飯の後にふわっと軽い飲み心地のこのコーヒーを飲んで欲しい」

ほんのり優しい甘みの、
くらすことオリジナルグラノーラ

adansoniaのドリップパックコーヒーやハーバルノート・シンプルズのクリスマスティーとの相性も良い、くらすことオリジナルのグラノーラ。

オーガニックオートミールをベースに、ドライフルーツやナッツ類を混ぜ、きび砂糖とはちみつでほんのり優しい甘みをプラスした甘さ控えめなグラノーラ。材料には安心な材料を使用しているので、お子さまのおやつにもぴったり。そのまま食べたり、ヨーグルトやアイスにかけても。

コーヒーやハーブティーを、シュトレンやグラノーラと一緒に。大人のおやつ時間を楽しむ。いつもお世話になっている人への贈り物としてもおすすめ。

adansonia(アダンソニア )
福岡県糸島市にある海辺の料理店。地元の食材を使った季節のコース料理が楽しめる。店の顔とも言える手打ちパスタと、フォトジェニックなデザートが人気。丁寧な手仕事にファンが多い。
〒819-1614 福岡県糸島市二丈浜窪396-1 TEL:092-325-2226
12:00〜17:00 (売り切れ次第終了) / 木、日曜休
*ランチ12:00〜、13:30〜、カフェ15:00〜で、共に予約制
adansonia.petit.cc

tsumugi(つむぎ)
2005年より博多の寺町に花屋を構える。畑にて自然栽培し、主に育てた草木、花や、採取した植物で季節にまつわる仕事をしている。「野草宙(yasousora)」という野草ユニットを2015年に結成し、野草茶会などを開催し、野草についてを伝承している。
〒812-0037 福岡市博多区御供所町12-2
TEL:070-4740-8787
tsumugi-hana.com

Tateshina HERBAL NOTE simples(蓼科ハーバルノート・シンプルズ)
蓼科ハーバルノート・シンプルズは、長野県茅野市のハーブとアロマテラピーの専門店。30数年前にこの店を開いたハーバリスト・萩尾エリ子は、ヨーロッパの伝統を踏まえながら、ハーブに馴染みのない日本人にも美味しいと感じていいただけるハーブティーをと考え、日々ブレンドをしてきた。
〒391-0213 長野県茅野市豊平10284
TEL:0266-76-2282
9:00〜18:00、水曜、年末年始休
www.herbalnote.co.jp