『親のしごと』
三人の子どもたちと一緒に過ごす、毎日。
洗濯をしたり、洗い物をしたり、料理を作ったり、子どもの傍らで家事をしていると、
上の二人はしょっちゅうしょっちゅう、「かあかあ、みててね。みててね」。
そして末っ子の赤ちゃんも泣いて私に、「みててね」と一生懸命です。
親って、みていることが一番の仕事なんだなあと、つくづく思う毎日です。
一人ですべり台に走って駆け寄り、
「みててね、みててね」と振り返る。
「みてるよ、みてるよ」とにっこり微笑む。
そしてまた振り返り・・・
いつだって、ここにいるよ。
ここでみてるよ。
5年前に父が突然亡くなったとき、いろいろなバタバタが終わって日常に戻った頃、
ぽっかりとあいた心の真ん中に、急に押し寄せてきた不安。
20代も半ばを過ぎていたけれど、それは、「何かあったらどこでも飛んでいくぞ」と
言ってくれていた父の、私を見ていた目がなくなったことの心細さだったように思います。
偉そうなことを言ったり、一人で立っていると思っていたけれど、
結局は、まだまだ私は、父の子どもでした。
そして今は、私が子どもたちを見る番。
もう、物事は何にも進まないし、大忙しな毎日ですが、
子どもが見てと言ってくれている間は、そして言ってくれなくなっても、
きっと見ているんだろうなあと思いながら、今日も子どもと過ごしています。
いつまで見ててねって言ってくれるかな?
見てないふりして、でも見ているんだろうな。