くらすことの本、創刊。はじまりは、この特集しかありませんでした。

“いのち”の本質に通ずる扉が開かれる
京都『料理教室森田』の公開教室 「料理綺譚 」〜野菜の声を聴く私 私の声を聴く野菜〜

この春、1年以上かけて準備をしてきた「くらすことの本」を創刊しました。巻頭特集は、京都の菜食料理教室『料理教室森田』の公開教室を再現した「料理綺譚」 〜野菜の声を聴く私 私の声を聴く野菜〜。

「京都にすごい料理教室があり、全国から生徒さんが殺到し、かつ辞めないらしい。けど、そのすごさは言葉では説明できない…。」
そんな噂を、何人からか耳にしだしたは8年ほど前。

時折、気になりながらも、教室に参加する機会なくきたある日。
くらすことwebマガジンでもお世話になっていたオガワジュンイチさんが、「料理教室森田」を主宰する森田久美さんと公開教室をするというご案内が目にとまりました。それは、オガワさんが森田久美さんのされている料理という行為を、デモ形式で解説するというもの。
参加して目の当たりにした久美さんの教えていらっしゃることは、正直、これは公にしていいものなのだろうか?と、思うほどの衝撃でした。

「料理教室森田」は、野菜料理を教える教室です。
ですが、いわゆるおいしい料理の仕方を教える教室ではありません。
「おいしさ」を追求するのでなく、では、なにを教えているのか。
森田久美というひとが、料理を糸口に、伝え続けてきたこと。
それはこの世界の法則であり真理であり、いのちとの向き合い方でした。

これは、料理教室森田ではじめに教える、青菜の湯がき方です。
大きな水を張ったボールに、気持ちよさそうに浸かった青菜。
1株ごと手で持ち、熱湯をくぐらせ、火と水のエネルギーが入ったところで
菜箸で菜っ葉を引っ掛け、水の入ったボールへ。
水切りもギューと絞るのではなく、まな板をななめに立てかけ、自然と水が流れるのを待つ。
おいしいおひたしを作ることが目的ではなく、野菜に流れるエネルギーを止めず、
青菜は湯がかれたこと、切られたことに気が付いていないみたいに、いのちを止めずに料理する。
そして、作り手の「おいしくなーれ」とか、そんな思いをのせず調理された青菜は、
からだにするりと入り、食べたわたしのいのちと、すぐにひとつとなる。
それは、経験したことのない感覚でした。

久美さんは言います。
「すべてのものはエネルギーであり、野菜もワタシもすべて同じイノチであって、
もともとひとつのところから生まれ、またカタチを生み出すのは、意識であること。」

そんな青菜のおひたしを作る一連の過程をみて、わたしはなぜか、自分のこどもたちとの関係性、
向き合い方を思いうかべ、熱く、込み上げてくるものがありました。
うちには5人の子どもたちがいます。
ひとりひとりが全く違う子どもたち。
自分の思う型にはめていたのではないだろうか。
その子自身のありのままを認め、いのちの輝きの向かう方へ進めるよう、子ども自身に添えていたのだろうか。ひとりひとりのいのちを、本当に尊重できていたのだろうか。

そんな子どもたちと自分との関係性を、青菜のおひたしを作る久美さんのひとつひとつの行為をみて、省みていました。

久美さんが料理をする過程での、野菜というひとつの“いのち”の扱い方。
それらをみて、わたしのように子どもとの関係性、向き合い方を思い起こす母親もいるでしょう。
人との関わり、芸術家や職人のかたなら、ものとの向き合う姿勢について、
ボディーワークを生業とする方なら、自分とからだの向き合いについて、感じることがあるかもしれません。

自分が対峙し、この生で重きを置いている様々な世界。
青菜のおひたしを作る過程を目撃し、そこで行われている一つ一つの行為を魂で感じることで垣間見えるのは、まさに全てに通ずる、この世界の真理なのではないか。

森田久美というひとが、料理を糸口に、伝え続けてきたこと。
それはこの世界の法則であり真理であり、命との向き合い方です。

命とは、一瞬一瞬に変化し続けていくものであり、
だからこそ、簡単に言葉にできる世界ではなく、言語化はできなかった。
それをはじめて言葉にしたのがオガワジュンイチさんであり、今回の公開教室につながっています。

多分、こういうことは公にしていい類のものではないなと、感じました。
ほんとのところは、体験しないと理解できるものでもないと。
けれど、きっといま、これはくらすことがやるべきことであり、
多くの人に祝福をもって受け入れられる。
もう、そんな新しいこれからの世界を、わたしたちは生きているのだと信頼しています。

野菜、ひとつひとつ。
その命を尊重し、ありのままでいいんだと、許され、認められるような久美さんの料理。

命の本質に通ずる扉を、どうぞ、開けてみてください。

くらすこと 藤田ゆみ

写真、映像/石川奈都子

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