家族がいるから孤独感を感じます。ここがなかなかわかりづらいかなぁと思います。孤独とか孤独感っていうのはそのひとの問題であって、幸せとは関係がないということですね。自分が孤独感を感じるっていうのは家族がいるからだから。

たとえば家族がいて、「幸せだな」って感じるのは一瞬のことなんです。幸せが永続的にあるわけじゃないですよね。幸せっていうのは、ある時期の幸福感であって、一瞬一瞬です。でも孤独感は違うんですよね。ちっちゃい時から孤独感があるひとはずっとそれを持っていて、「わかってもらえない」っていう孤独感。家族がいて幸せ。だから孤独をすごく強く感じますけど、それは大事にしてください。

なぜなら寂しいよりも、とっても大人な感覚なので。この質問をされた方は「わたしって大人なんだ」って思っていただくといいです。そして孤独感を感じることを言えるところまでで置いておきましょう。「どうして?」って考えなくていいってことです。孤独感はそのままにしておいてください。

孤独でもうひとつ、つらくなったら相談しましょう。孤独感からくる、「つらい」っていう感情は違うこと。でも孤独を感じるのは「幸せだからだ」と思ってください。家族がいて幸せだから孤独を感じる。幸せが大きくなるとそういうふうになってきます。そこらへんの仕組みがちょっとわかりにくいかなとは思うんだけれども、幸せってそういうものかなと思います。

わたしは孤独っていうことも本に書いたんですけれども、人間にとってはとても大切な感覚だと思って、自分のことと向き合ったひとほど孤独感を強く感じるようにできています。「寂しい」は意外と他のひととの対象で感じやすいので、こどもでも「寂しい」っていう感覚はあるけど、孤独感は「誰にもわかってもらえない」っていう感覚なので。これは本当に大事にした方がよくて。

今の段階でお伝えしたいのは、孤独感を育ててほしいですね。育てていくと、さっきの質問の答えになっちゃうんですが、世界とつながるんです。自分っていうものの孤独感を感じれば感じるほど、「どうやって、このつらい気持ちを他のひとに訴えていけばいいのかな」っていう意識が強くなって。実は孤独感を感じてるひとほど、他のひとの孤独感にも気づきやすいです。つまり、孤独なひとほど仲間がいっぱいいるとわたしは思っています。

そしたら「それって本当に寂しい?」ってなりますよね。

わたしが挙げた質問ではないんですが、わたしがこどもとして生まれた家族の中で、孤独感を感じていたと思うんです。兄がふたりいて、両親もいて、その中で「どうしてわたしだけこんなふうに感じるんだろう」っていうのが、同じ環境なのに、「なんでわたしだけ?」「辛い」とか…… 涙が出てきた。

おおおおお。じわじわ出してもいいですよ。

それに対しておそらくどこかで恨みとか怒りがあって。「どうしてわたしだけ?」って……

そうですね。それは素晴らしいことですね。「どうしてわたしだけ?」っていうのは、わたししかいないからです。わたしは世界中にひとりしかいない。それを自分でちゃんと受け入れるのに、孤独が大事なんです。お話ししたように孤独なひとはたくさんいます。育った家族からの愛情はわからないかもしれないけどーー家族以外ではどうですか?

好きな作家さんがいるんですけど、そのひとの絵を見ているだけで幸せになる。

っていうことは仲間がいるんだよね。もうちょっというと、人間はそのために生きています。家族のために生きていません。だから生まれた時にひとりでなにもできない状態で生まれるんですね。馬とか鹿は、生まれてすぐ自分で立って走っていくでしょう? お腹の中でお母さんがそこまで育てるんです。

でも人間の赤ちゃんはどうですか?「にゃー」って生まれて「誰か〜!」みたいな感じでしょ? これがすでに「お母さん以外のひとも育ててくださいね」っていうこと。

つまり、誰でもいいんです。育てるのは親じゃなくてもいい。そういう意味では、今言ったように寂しさを感じるかもしれませんが、自分の感覚と自分の家族の感覚が違っただけですね。これは実はすごく自然なことです。

ただ、「仲間がいないな」っていうこともあったと思うんだけど、それは仕方がないよね。なぜなら親もこどもを選べません。こどもも親を選べません。でもどっちが悪いわけでもないですね。ただ、事実なので。

「なんか可愛くないな」。でも言えない。あたりまえですよね。でも、それを乗り越えて愛そう、っていうのが育てることです。今まで育てられてきたんだから、愛されてるってことなんですよね。そこにはやっぱりお礼を言わないと。ここらへんが、愛情に気づくって大人にならないと難しい。「自分をそこまで大きくしてもらえた」なんて、自分のことしか考えていない時は気づきませんね。

だからあなたから見て、「あのひと、ひとりかな」って感じる方がいたら、話を聞いてあげてください。お友達になれるかもしれないですよね。どうですか?

はい、視界がキラキラってしてきました(笑)。

部屋の灯りかもー(笑)。

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