スタッフが実際の生活の中で「こんなものがあったらいいな」と感じたアイデアの種からできあがる、くらすことのオリジナルアイテムの数々。実は商品となるまでに、ああでもない、こうでもないと悩んだり、考えたりと日々奮闘しています。その日々の奮闘を、可能な限りリアルタイムに発信して、できあがる過程や考えていることなどをみなさんと一緒に共有しながら新商品ができあがるのを待てたら、というアイデアから始まった開発日記。
ということで今回は、冬頃に発売予定の『究極のゆるいインナー』の開発途中を覗き見!開発担当の赤間に書き留めてもらっていた日々の記録です◯
開発を進める上での小さな悩みごとや、考えていること、社内のみんなですり合わせたことなど…毎日の奮闘の積み重ねがつまった日記です。どんなインナーができあがるのか、この日記を読みながらお待ちくださいね!
商品企画スタッフ 赤間
趣味は洋裁と映画鑑賞。お散歩しながらのラジオも欠かせません。お気に入りのラジオはオードリーとロバート秋山
商品名も決定し、残るはパッケージのみ。「mellow」の言葉の持つ、音や光が柔らかい&優しいイメージをデザイナーに伝え何個か案を出してもらう。パッケージも、すぐに捨てちゃう可能性が高くとも、その商品に合いイメージを高めてくれるものとしてとても重要。細かなサイズ感や紙の質感まで毎回悩むところ。
出来上がったデザインは水彩の絵の具がじわっと滲んだような円。柔らかくふんわりとした肌触りやゆるい付け心地にぴったり!あとは文字の大きさや細かなデザインを微調整して完成。
さあ、いよいよ発売間近。このタイミングはいつも緊張する。どうか気に入ってくださるお客さまの元に届きますように。そして、皆さんのからだが心地よく開放されますように。
生地やパーツの手配に価格の最終調整、納期確認と生産管理に。いつも悩むのが商品名。あっさりすっきりかっこよくも良いんだけど、イメージが伝わるものが理想。このインナーを作った時のキーワードを羅列し、しっくりくるものを探し続ける。
ちなみにキーワードは“開放的、リラックス、ストレスフリー、自由、くつろぎ‥“と20個以上。この言葉にしっくりくる商品名に毎度のことながら頭を捻る。リラクシー?自由にという意味のfreely?、はたまたオープンマインドブラ?本音ショーツ?などおかしな方向に突入するまでがセット笑。
一旦頭を冷やし、(音・光などが)柔らかい,優しい,心地よいを意味する「mellow メロウ」に決定。とろーりなめらか以外にこんな意味があったのか、でもぴったりじゃん!と納得。商品名「くらすこと コットンシルク mellowインナー」、完成まであと少し。
さあここからは最終局面。悩んでた絶妙ベージュカラー問題は迷宮入りしそうだったので、完全に手応えのあった2色展開でいこうと決意。この2色の並びがかわいいのでいいんじゃん?と納得。
ベースのサイズ1(通常のMサイズ)が決定したのでグレーディングサンプルというものを依頼。これはサイズ2のこと。これで試着してOKであれば生産に進む、という流れ。
その間に洗濯&試着を繰り返す。ブラとキャミはストレスなく快適~!ショーツは履けば履くほどどんどん開放的になる感じ。履いていないみたいな軽さは今までに経験したことがなく新しい扉が開いたよう。ふんどしには見えないのに着用感はふんどしライクといった感じ!
3回目のサンプル。ブラのアンダーとショーツのウエストの生地のヨレは裏にステッチをしてもらうことで改善。表には見えないしよさそう!
ブラは手応えあり!楽だし形もきれいに仕上がった。ショーツは鼠蹊部の締め付けを完全に無くし、脚の可動域を妨げないよう細かな角度を調整し快適に。
心配だったブラキャミは身幅に修正は必要なものの、フロントのデザイン、紐の肌へのあたりも含め良くなった。これがいいに違いない、と思ったものでも意見を聞いて改善することって本当に大切。お客さまから頂いたご意見も貴重でありがたい、と痛感する。
そろそろ色展開も考えたい。サンプルでも既に使用している淡いラベンダーは第一候補。他には、、今まで展開のなかったイエローやブルー系もいいけれど、肌馴染みがいい落ち着くカラーも欲しい。手持ちの洋服や今まで溜めてきた多くの生地見本から良さそうな色を検討。グレージュいいかも、あとはライトベージュ。ただこのベージュ、トーンのパターンがあまりに多くありすぎてどう転ぶか。ほっこりしすぎるものや、いかにもご婦人用の下着!というようなベージュは避けたいなあ。
前回の意見を反映し修正してもらった新たなサンプルが届く。ブラのアンダー、ショーツのウエストの幅や長さは1cm単位で微調整。ショーツのあの少しの恥ずかしさを解消するべく、切り替えを無くしてみた。これでも快適!でも更に調整して完璧なものにしたいところ。
ブラキャミは、前回のストラップの素材の硬さが気になったので、柔らかいものに変えてもらった。確かに馴染みは良くなったけど光沢感が強くなったのがやや気がかり。あと、問題のフロントデザイン。うーん、悪くはないがあと一歩、といったところ。Uネックというのが中途半端なのかな、いっそ真っ直ぐのラインにしたら見えてもインナーぽくなりすぎずいいのかも。前にアンケートでもそういう意見いただいたな。
ほぼ完成に近かったものを一旦ゼロに戻し、再考。大人っぽく見せるための要素(ストラップやU字ネック)を無くし、ストラップは共布にしてデザインも変更してみよう。どうなるかは次のサンプルを見て考えよう。イメージとかわいさと着心地と、どれも譲らず粘るのみ。
デザインの希望をお世話になっている下着メーカーさんにお伝えし、最初のサンプルが到着。雰囲気はなかなか良さそう!早速試着。ブラはアンダーがゆるすぎたけど、着け心地はかなりいい!やっぱりこの生地にして正解だったとニンマリ。
ショーツは、鼠蹊部が解放されるってこんなに楽だったのか、と改めて驚く。でも、この見えそうなヒラヒラ感は少し恥ずかしいかなあ。ブラキャミも身幅が緩すぎたのと、フロントのデザインが何かしっくりこない。U字って難易度高いのかも?
その後6名のスタッフに次々に試着してもらう。生地は好評だったものの、アンダーの生地がよれる、ブラキャミのストラップの肌の当たりが気になる、など厳しい意見もあり、反省。修正する箇所はまだまだありそうだ。
生地はいいものに出会い決定。さあ、ここから理想の形と付け心地を作るぞ!と鼻息荒く考える。アイテムはブラとショーツ、そしてブラキャミの3アイテム。どれも着けてない、履いてないみたいに楽なもの。身軽で、でも安定感のあるものが理想。
ブラはタンクトップみたいな肩紐が疲れないかも。スポーツブラみたいな。でも色々なインナーを作ってみて分かったのは、みんな胸の形はそれぞれ違う、という当たり前のこと。大きさはもちろん、ハト胸さんにタレ胸さん。だからスポーツブラのデザインにしたら合わない人が出てきちゃうよな。途中まで同じ生地でつなげて背中の少しの部分だけストラップで調整できるようにできたらいいかも!
ショーツはふんどしに見えないのに鼠蹊部を締め付けない工夫を。脚ぐりを縫わずにひらっとさせたらきっと楽。ブラキャミは今までも採用したアンダーゴムなし、背中の生地は1枚は絶対。あとはフロントのデザインをU字にして少し大人っぽくできたらいいな。
年も明け、生地選びもそろそろ大詰め。候補に上がっていたコットンかリヨセルか。更に仲間入りした諦めきれないシルク混素材か。シルクも3候補あって、リヨセルとナイロンが混紡された伸びのいいなめらかな生地か、テンセルシルクか、はたまたコットンシルクか。ここからは価格との戦い。いくら最高の素材を見つけてもブラ1枚で1万円超、とかにはしたくない。だって自分だったら買い替えの時勇気が要るし、痛まないように着ける回数を控えるなんて本末転倒。毎日着けられて、でも最高に心地いいものじゃないと。物作りって深い。
最終的にはリヨセルとコットンシルクの2択に。ずっと作りたかったシルク混、諦められなかったシルク混。高すぎたらどうしよう。回答をドキドキと待つ。結果はとっても安くはないけど、いけるかも!化繊が全く入らないコットンシルク生地は貴重!サンプルで触ると伸びがよく気持ちがいい!いい生地に出会うと最高にときめきます。これでいいインナーを作れますように。
デザインはイメージを練るとして、くらすことでインナーを作る時に素材は最重要!早速希望の生地を探し始める。
そもそも、最初の開発時から希望していたのは「シルク」。でもシルクって本当に高い。しかもこの2、3年でどんどん上がっている。でも諦めの悪い私。混紡のものも含めシルクも候補に挙げつつ、生地探しを進める。シルク100%はかなり高価になるし、そこで候補に上がったのがコットンのフライス生地と、リヨセルフライス。気持ちいい肌触りだけどリヨセルって化繊だっけ?調べるとユーカリの木を原料とした再生繊維なんだそう。へ〜、勉強になるな。
新しいインナー「コットンリブなめらか」シリーズも発売になり、ホッとしつつも次にどんなインナーを作ろうか、と考え中。今までのものも締め付け感がなく楽なものは必須条件だったけど究極の「ゆったり楽ちん」を作りたい。というのも、最近むくみや血の巡りが気になり出したから。毎日身につける下着がその流れを妨げていることもあるらしい。リンパ、という言葉にも敏感になってきたお年頃。
そしてその対策としてふんどしが見直されているんだそう。ふんどし!これは新たな扉が開きそうで興味津々。そこで、流通しているふんどしショーツなるものを購入し、履いてみた。確かに鼠蹊部が楽!でもなんだかちょっと恥ずかしい‥(誰も見ていないけど)
「恥ずかしくなく、でも楽ちんなインナー」。これは新たな挑戦になりそう。