横尾 香央留/糸のゆくえ

フィンランドと日本で交換日記をするようにニットをやりとりするダイアローグ。
テキスタイルデザイナーの島塚絵里さんから紹介してもらったエルヤさんからのニットです。

エルヤ・ヒルヴィさんからニットが届いた。
彼女はマリメッコやサムイにプリントデザインを
提供しているテキスタイルデザイナーで
以前このプロジェクトにも参加してくれた
島塚絵里さんにご紹介していただいた。

エルヤさんの編んでくれたパートには
様々な色糸が編み込まれているのだが
なにやら違和感…
よくよく見てみると
懐かしいケーキ屋で使用されていたようなリボン
荷造り用の麻ひも スズランテープ etc…
様々な素材が使用されていて
見れば見るほど気付きがあり
にやけてしまう。

もうひとつの編み地には
グラデーションが美しい
サークルが編み込まれている。
夕陽だろうか?
5年前 夜10時に見た
湖に沈む夕陽を思いだし
猛烈にカルストゥラが恋しくなる。

名前:エルヤ・ヒルヴィ

働いているとき、ちょっとリラックスしたいなと思う時にニットを編むのが好きです。
家の中で見つかった糸だけを使いました。
ダークブルーのウール生地に加えて、スリーブ本体には、プラスチック製の梱包用のひもや靴ひも、チョコレートの箱についていたリボンをあしらってみたの。
おとぎ話の中に編み込んでいった感じで、ありとあらゆるものをごちゃまぜにする以外特別なプランはありません。
大きなボディには、太陽の旋風と起伏を編み込みました。
春の歓びの中にある。
ボールのようにも見える。
ワイヤーがなくなったときは、いつも別の色で編んでいきました。
私は家にある余った糸をうまく使うことができた。
このプロジェクトは本当に素敵なものだと思う。
ゴールはどこにあるのかわからないけど、それもまたいい。
ニットを編むことは、いつも新しく面白いことです。

このプロジェクトに参加してくれる
遠く離れた相手の顔は見えない。
みんながどのような思いで
参加してくれているのか正直わからず
ご迷惑になっているのではないか?
どこまで続ければいいのだろうか?
不安がふっと顔を出すこともあるのだが
彼女の手紙を読み
編むこと自体をたのしんでいること
このプロジェクトのことを
おもしろがってくれたことに
救われたような気持ちになる。

エルヤさんがこれまでに
どのようなデザインをしてきたのかを
知りたくなり調べてみるとマリメッコの
“Lumimarja”も“Purnukka”も
彼女がデザインしたものだった。
どちらの柄のバッグも愛用していたので驚いた。
そのエルヤさんに参加してもらえたことを
とてもうれしく思いながら
長く伸びてきた編み地を見つめ
終着点を探し始めている。

横尾香央留

1979年東京生まれ。
ファッションブランドのアトリエにて
手作業を担当した後、2005年独立。
刺繍やかぎ針編みなどの緻密な
手作業によるお直しを中心に活動。

主な著書
『お直し とか』(マガジンハウス)
『変体』(between the books)
『お直し とか カルストゥラ』(青幻舎)
『プレゼント』(イースト・プレス)

主な個展
「お直しとか」(2011/FOIL gallery)
「変体」(2012/The Cave)

主なグループ展
「拡張するファッション」
(2014/水戸芸術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)

写真/ホンマタカシ 編集/上條桂子

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