青木美詠子×中川ちえ×藤田ゆみ トークイベント
「冷えとりとからだの話」レポート その1

去る2月9日、「冷えとりとからだのこと」展の一環で開催したトークイベント「冷えとりとからだの話」。冷えとり関連の著書も多いあおきみさんこと青木美詠子さん、蔵前で生活雑貨を扱う「in-kyo」店主で、冷えとりやアーユルヴェーダを実践している中川ちえさん、そして、くらすこと主宰の藤田ゆみの3人が、健康法や生活の習慣、自然療法や食べ物のことなど、日々をすこやかに過ごすために心がけ、実践していることを語りあいました。

※「冷えとり」と「靴下の重ね履き」についての説明は、こちらをご覧ください。
うさぎの会 “冷えとり”靴下で、すこやかに暮らす

不調は溜めずに、小出しする

——まずそれぞれ、冷えとりを始めたきっかけを教えてください。

あおきみ 体調を崩したのがきっかけで健康法はいろいろ試しましたが、これだ!と思って始めたのが靴下の重ね履き。そのころは、インターネットもいまみたいに発達してなかったから、靴下がここに売ってるだの、通販だとここで買えるだの、当時は自分で開拓していました。もう、いまはほんとに恵まれた時代で(笑)。

ちえ それが、20年前!

あおきみ 5本指の靴下でさえ、えー、なにそれ!?みたいに言われる時代ですよ。そこからこの冷えとりだけは続いて、いまにいたっています。すごい気持ちがいいし、洗濯がちょっと面倒ではありますが、たいして苦にならないので。冷えとりを始めて3年ほどは薬も飲んでたと思うんですけども、だんだん薬なしで風邪も治せるようになりました。たぶん17年くらいは薬はのんでいません。風邪は、あれ、喉がちょっとおかしいなってなったら、半身浴して寝る。すると、1~2日後には治ってる。だから、風邪の手前でくいとめられてるかな、という感じです。

——それは靴下を履いて半身浴をしているおかげという自覚があるのでしょうか?

あおきみ 以前は、薬を飲まなければ絶対に治らなかったので。身体の変化を自分で感じとれるようになった、という自覚は大きいですね。ちょっと体調が悪くなっても、これはきっと大丈夫って思えたり。瞑眩(※いわゆる好転反応のこと。冷えとり健康法を実践しているとよく起こるといわれている)でドーッと出てくるときもあるんですけど、それは出せばいいと思って。1回だけひどい瞑眩があって、仕事が忙しくて睡眠もとれなかったとき、咳と疸が突然すごい出てきて。1週間ぐらいだったかな、咳きこんでしまって夜も寝られないほど。これはさすがに明日は病院に行こうかなと思ったら、翌日パタッと治りました(※瞑眩は、出るだけ出ると、パタッと止まるともいわれている)。

——具合が悪くなっても、これはきっと大丈夫とか、明日には治っていそうだなとか。安易に病院や薬を頼らずとも、自分の感覚でわかるようになるのはいいですね。

あおきみ そうですね。あと、小出しにしてる感覚っていうのもすごくあります。疲れやすくなったっていう人もいますけれど、逆に考えると、ちょこちょこと不調が出せるようになったということ。そうすると、なかに溜まらないんじゃないかって思ったりします。

ちえ 20代のころの身体は、若さと勢いでついてきてくれてたんだなと思いますね。いま40代ですけど、ほんとに疲れやすくなったというか、無理が利かなくなった。でも、そういう自分も許してあげようと思っています。

あおきみ 小出しにしていたら、ある日突然、パタンって倒れるみたいなことはないんじゃないかなと思ってます。

ちょっとした変化がだんだんおもしろくなって

——ちえさんは、あおきみさんの本(『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』)の影響で冷えとりを始めたんですね。

ちえ そうなんです。私は、冷え自体を意識していませんでした。遡れば、小学生、中学生のころから、冬になるとしもやけになるのが当たり前だったんです。痛かったけれど、冬になるとこうなるのが自分だって思ってた。大人になってからも、夏でも手足が冷たいのが当たり前でした。いまの仕事を始めるずっと以前に、百貨店とかファッションビルに勤務していたことがあるんですが、ああいうところは夏はガンガンに冷房が効いていて、冬は暑いくらいに暖房が効いている。季候とは逆の状態がつくられているんですね。夏でも、骨が痛くなるぐらい冷えていました。汗も全然かくことがなくて、汗をかける人がうらやましかった。もちろん、生理痛もひどくて。だからって仕事を休めない環境だったので、そろそろ生理が始まるというぐらいから痛み止めの薬を飲んでいたんですよ。でもそんなことを続けていると、身体って賢いので薬に慣れてきてしまって、本当の痛みがきたときに全然薬が効かないわけです。そんな悪循環を繰り返して。
あおきみさんの本に出会って、靴下だけでこの痛みと決別できるのか!と。そして半身浴をすれば、憧れの汗もかけるかもしれないと(笑)。そうやって冷えとりをゆるくやるようになりました。いちばんよかったのは、やっぱり生理痛が治まったことかな。薬は飲むほど子宮に溜まっていくようなイメージがあって、もう飲みたくないと思って。最初は我慢しながら飲まないようにしていたんですけど、気づけばだんだん生理痛が楽になってきていた。そして1年くらいはかかったでしょうか、なんと、汗もじわじわ出るようになったんですよ。
劇的になにかってことはなかったんですけど、そういえば生理痛も楽になってるし、汗もかくようになったしっていう、ちょっとした変化がだんだんおもしろくなってきちゃったんですね。やれば応えてくれる、身体っておもしろいな、自分の身体もすてたもんじゃないな、と思って。それが、冷えとりが続けられている理由かもしれない。でも、そんなにがっつりやってないですよ。食べすぎることもあるし、お酒も飲むんですけど、楽しいことと気をつけなきゃいけないことのバランスを、自分のなかでとってるのかなと思います。

——バランスのとりかたとか、どれを気持ちいいと思うかとかは、人によって違いますね。それがわかるまでは不安だから、つい他人に訊いたりしてしまう。けれど、その答えは自分のなかにしかないんですよね。こういう場所で、いろんな人のいろんなケースをシェアしあえると、人それぞれだってことがわかって安心できますね。

「冷えとり」と「からだのこと」をキーワードに、食べ物や身につけるもの、自然療法関連のものなど、あおきみさんの愛用品を持ってきてもらいました。写真左上から順番にご紹介。

養生茶(つじり):どくだみやはと麦など、健康茶みたいな感じでいろいろな薬草がブレンドされたお茶なんですが、香りもよく、ほうじ茶のような雰囲気で、飲みにくくないんです。

イムネオール100:天然のエッセンシャルオイルです。肩や首のあたりに塗ったり、喉があやしいなっていうときに1滴のんだり。緊急のときに使っています(※ちえさんは頭痛のときに、ゆみさんは花粉症のときに重宝しているそう)。

だしはこれ(サカモト):にぼしを粉にしたものです。普段は昆布などで出汁をとっているので、そんなには使わないのですが、究極に急いでいるときに、これにお味噌とねぎを入れてお湯を注ぐだけで、けっこうおいしい味噌汁に。インスタント出汁を使ってる方にもおすすめです。玄米の「ふりかけ」にしても。

シルクコットンUネックプルオーバー(プリスティン):裏地が絹、表地がオーガニックコットン。冷えとりに便利な二重構造です。薄いので全然アウターにひびかないし、肌ざわりもよくて。こちらのブランドのものはなんでも、ふわふわと気持ちよくておすすめです。

リネンのワイドパンツ(FLW):私はこういうパンツばかり穿いています。夏でも下にレギンスを重ねられるので便利。麻の肌ざわりもすごく気持ちがいいです。

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青木美詠子(あおき みえこ)
文筆家、コピーライター。著書に『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』『グッズとごはん』『大人のふだん着』『実際つくってる冷えとり簡単ごはん』の冷えとり四部作(メディアファクトリー)、『あおきみさんの妙に役立つ日々の知恵147コ』(幻冬舎)、『大人になっても、悩んだりしていいですか?』(大和書房)など。自費出版では、短い言葉を綴った『いちにちいちにち』『ひとりがけの椅子』がある。くらすことのウェブマガジンで『ちいさなこと』連載中、HP「あおきみノート」では日記など更新中。

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中川ちえ(なかがわ ちえ)
in-kyo店主、エッセイスト。青木美詠子さんの『冷えとり毎日』をきっかけに冷えとりをゆるやかにはじめて早10年以上。そのことは『暮らしのものさし』(朝日新聞出版)のなかでもふれています。in-kyoの店頭でも、お客さまとの会話にからだのこととたべもののことがのぼる機会が増えています。in-kyo.net

藤田ゆみ(ふじた ゆみ)
くらすこと主宰。小学5年生を筆頭に3人の母なので、子どもたちの育ちと生活の関係をつぶさに見つつ、心身ともに健やかな状態とは?と日々、ああかな、こうかなとやっています。著書に『子どもと一緒にスロー暮らす おかあさんの本』(アノニマ・スタジオ)。www.kurasukoto.com

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