赤ちゃんのお弁当 その2
〜教える人 セトキョウコ

写真 馬場わかな  構成・文 松本あかね

赤ちゃんにお弁当があったら、お出かけがもっと楽しく。
離乳食のお弁当の作り方を3回に渡って料理家のセトキョウコさんに習います。

ブロッコリとしらすのあんかけ粥 
 —— 中期(7、8ヶ月頃)

お粥の上にとろりとかかったブロッコリとしらすの出汁あん。
白と緑の二層の彩りがうつくしい瓶詰めベビーフードの作り方をご紹介します。

用意するもの:蓋つきガラス瓶(80cc)
※蓋が金属製のツイストキャップのもの

瓶は煮沸消毒しておきます

1. 鍋にかぶるくらいの水と瓶、蓋を入れ火にかけます。
2. 沸騰したら10分ほど煮沸します。
3. 乾いたフキンの上に逆さにして余熱で乾燥させます。

材料(2回分):
・出汁あん
茹でたブロッコリ…10g(一房程度)
湯通ししたしらす…5g
出汁…80cc ※コラム「出汁は濃いめ」参照
水溶き片栗粉…適量

・7倍粥…適量

7倍粥の作り方

1. 米1に対して水7を用意します。
2. 米を研いでから水と共に鍋に入れ、強火にかけます。
3. 沸騰したらさっと混ぜて弱火にし、蓋をして50分ほどコトコト煮ます。
4. 出来上がったら裏ごしして滑らかにします。

ブロッコリとしらすのあんかけ粥の作り方

1.ブロッコリは包丁で粗く刻み、すり鉢にしらすと一緒に入れ、軽くすりつぶします。
「ブロッコリを茹でるとき、一房だけ子ども分をとっておけば、大人の分と一緒に調理できます」

2. 鍋に出汁とすりつぶしたブロッコリ、しらすを入れ、柔らかく煮たら、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
3. 煮沸消毒して乾燥させておいた瓶に7倍粥を詰め、瓶の9分目までくるように出汁あんをのせます。ゆるく蓋をしておきます。

脱気します

1. 蓋をギュッと締める直前まで締めます(少しゆるいくらい)。
2. 鍋底にフキンを敷いて瓶を置き、瓶が半分以上浸るくらい水を入れます。
3. 火にかけて沸騰したら15分、煮沸します。

蓋をきつく締めます

4. 15分経ったら、トングなどで瓶を取り出し(熱いので注意!)、蓋を最後まできつく締めます。
5. 再び鍋に戻し、15分間煮沸します。

できあがり!

隣は前回ご紹介した「かぼちゃのマッシュ」をのせたもの。
「見た目がきれいにできると、嬉しくなります。
子どもにもお母さんのそんな楽しい気持ちって、伝わるものだと思いますよ」

食べるときの留意点:
• 作った日のうちにお召し上がりください。
• 食べさせるときは、大人の舌で味を確かめてから。
• 食べ残しは廃棄しましょう。

出汁は濃いめで

塩分を控えめにしたい離乳食では、出汁使いがポイントになります。
「出汁を濃いめにとって使うと、塩分が少なくてもよく食べてくれます。たとえばほうれん草は一把茹でたら、子どもの分だけお出汁で煮て柔らかくして。“味のついた水”のような感覚で何にでも使ってみてください。」

濃いめの出汁
材料:
昆布 … 10㎝
鰹節 … 6g
水 … 600cc

1.昆布は濡れたフキンで表面の汚れを拭き取り、水に30分ほど浸しておきます。
2.鍋を火にかけて水と昆布を入れ、煮立つ直前に昆布を取り出します。
3.鰹節を加えて、中弱火で3分間煮出して漉します。

「冷凍」を使いこなす

「出汁、おかゆ、野菜のピュレ、ミネストローネ、トマトソース、ホワイトソース、しらす」
は、離乳食期を通じてセトさんがよく冷凍していたもの。
「いちばん役だったのは出汁。製氷トレイに入れて冷凍しておくと、少しずつ使えて便利です。野菜のピュレ、ミネストローネのような野菜スープは、小分けして冷凍しておき、ご飯と混ぜて雑炊にしたり、パスタにしたり。ホワイトソースはクリームシチューにしたり、あとはごはんと和えて、チーズとパン粉をのせてパリッと焼いてドリア風に。しらすはラップの上に薄く伸ばして冷凍して、使うときはパキパキ折って、いろんなものに入れていました」
解凍するときは、せいろで一気に蒸して。
「いろいろなものを一度に解凍できるので重宝しました」

「離乳食期といっても、授乳があったり、夜泣きもあったりで、お母さんはすることが多いですよね。冷凍をうまく使って、力を入れすぎず、というぐらいでいるのがちょうどいいのかなと思います」

prifleプロフィール:
セトキョウコ 料理家。都内を中心にケータリングやイベント出店、雑誌などで活動。月刊『クーヨン』(クレヨンハウス)にて親子のとりわけレシピ&エッセイ「ちいさいおさじおおきいおさじ」を連載中(〜2015年3月)。最新の活動予定はこちらから