フルーツ・ジャーナル vol.4 2021SS by fruits of life

冷たい空気に白梅の香りが混じるとき、
自転車に乗って、風がクルクル頬を撫でて吹き抜けていくとき、
春はもう、すぐそこ。
肌寒さの残る初春から酷暑の夏まで、
心地よく、美しさを感じられる毎日にするために。
Fruits of lifeの2021春夏シーズンから、着こなしのヒントとエッセンスを
デザイナーの大橋利枝子さんに聞きました。

〜 Contents 1 〜
春から夏を心地よく。
薄い服の重ね着コーディネート・レッスン。

暖かくなったと思ったら急に冷え込んだり、お天気の不安定な春先、
日差しが強くなって汗ばむGWの頃、
かと思えばひんやりした梅雨の日も。
春から夏にかけては、こんな中途半端なお天気が多いもの。
そういう日は、何をどう着たらいいか、クローゼットの前で考え込むこともしばしば。 
大橋さんはどうしています? と尋ねてみると……
「やっぱり、重ね着かな」

ちなみにこの日の大橋さん、
薄手の黒ニットのトップスとレギンスの上に
コットンシルクのワンピースをさらりとまとって、
軽やかだけれど暖かい、それはおしゃれ上級生な着こなし。

ニットは冬、コットンシルクは春夏、
という思い込みが、本当はもっとバラエティ豊かな季節の変化に追いつかなくて、
知らず知らず、ぎこちないコーディネートになっていたかも。
こんなふうに臨機応変な重ね着もあるのなら、ぜひそのセオリーを教えてください!
とアトリエにお邪魔してきました。

・・・

 

Lesson 1
水玉セットアップと黒ニット

セットアップにもなるドット柄の上下。
春先に着るにはちょっと早い?
いえいえ、そんなことはありません。

① オリジナルの水玉プリントをセットアップで。

② 黒ニットがトップスとボトムをつなぐリエゾンの役割を。

fruits of lifeドット ドルマンスリーブシャツ
fruits of lifeドット ワイドパンツ
黒ニット(私物)

重ね着は防寒だけじゃない。

—— 大人気のfruits of lifeの水玉。今季、満を持してオリジナルプリントで登場です(パチパチパチ!)。

大橋さん (笑顔)プルオーバー、ローブ、パンツ、スカートと揃っていますから、セットアップで着ていただくのがおすすめです。

—— プリントのニュアンスもさることながら、大橋さんこだわりのコットンシルクだけあって、軽くてしなやか。早く着たいけれど、まだちょっと寒いかな……と思っていたのですが、こんなふうに薄手のニットと合わせたら、いけそう!

大橋さん もうすぐ春だなと思うと、新しい服が着たくなるじゃない? まだすっかり暖かくなったわけではないけれど、真冬と同じ格好だと飽きてくるし。

—— なんとなく、気分も重たいまま。

大橋さん 重ね着というと防寒のイメージになってしまうかもしれないけれど、薄いニットとコットンシルクとか、コットンとコットンシルクとか、薄いものを重ねて着ると気分も変わるし、お天気に合わせて調節しやすいと思います。

—— ニットでも薄手のタイプなら、全然シルエットに響きませんね。

大橋さん こういう薄い黒ニットは、見つけたら買っておくといいですよ。今日はショート丈のトップスと合わせました。ずっと長めの丈が流行していたから、違うシルエットのものが着たいなぁと。

—— こんなふうに黒が見えると、お腹周りに締まりが出るし、なんだかセットアップも着やすくなる気がします。

大橋さん パンツはウエストを折って、くるぶしを見せて。短めのトップスとのバランスもよくなります。

—— 春ですもんね、足首を出して元気に歩きたいです!

 

Lesson 2
“ひらひらローブ”&“ストンとローブ”。

夏のアウターとして
活躍まちがいなしの「ローブ」。
春から初夏にかけては
軽いコートがわりに。

① 羽衣のようなオキーフローブ。裾のドレープが美しい。

② 「少し寒いかな?」と思ったら……

③ コットンのローブを羽織って。

④ シルエットも少しだけタイトに。

fruits of lifeローブ ライトグレー
frutis of lifeオキーフローブ 小町鼠
fruits of lifeブラウス グレー(4月入荷予定)
fruits of lifeサイドボタンパンツ オフホワイト

微妙に寒くて、微妙に暑い日の
コーディネートの正解は?

—— オキーフローブは昨年、大橋さんの周りでも大人気でしたね。何枚も大人買いする方もいて、皆さんどんなふうに着こなしていらっしゃるのか、気になります。

大橋さん 裾がひらひらっとするからエレガントな気持ちになるって。一枚、羽織るだけでさまになるからラクという声もありました。

—— 透け感のある軽やかな生地に淡い色合いが印象的でした。今季も新しい形のローブがお目見えしていますね。

大橋さん 生地作りから挑戦したの。ハリのあるコットンシルクで、オキーフローブと比べるとそんなにボリュームはなくて、ストンとした感じ。

—— 重ねるとボリュームダウンして、裾からひらひらがのぞくのも素敵です。

大橋さん ノースリーブのワンピースの上から羽織ってもらいたいと思って作ったけれど、春先はこんなふうにコットンやシルクを重ねた上から、コートとして着てもいいですよ。

—— いわゆるスプリングコートより、軽い感じになりますね。春から夏にかけて、意外に長い間、いろいろな着方ができそうです。

大橋さん 夏も冷房除けに羽織りものは必需品だから、持ってて良かったと思ってもらえると思います。

 

Lesson 3
ジャケットとシャツ、またはTシャツ。

シャツ生地を2枚重ねた
薄くて軽いワークジャケット。
おしゃれな男性の着こなしから
インスピレーション。

① 2020SSのサイドボタンパンツとセットアップで着られます。

② 大きめの襟がマニッシュな空気を作る。

③ 袖はボタンを外して折り返して。※ポケットにはフラップがつく予定。

fruits of life ジャケット 
fruits of lifeサイドボタンパンツ オフホワイト
シャツ(私物)

カジュアルをきちんと見せるには?

—— そういえば、ジャケットって、秋冬に着るものだと思い込んでいました。

大橋さん 男の人って、夏に綿のジャケットを着ていません? Tシャツに軽い感じのジャケット、するとカジュアルなんだけど、きちんとして見える。それいいな、というところからの発想でした。

—— 夏はカジュアルになりすぎるお悩み、ありますよね。

大橋さん そのとき、ちょっと羽織れるものがあったら、ね。だから着てもらいやすいように、ボタンもなしにしたの。

—— 最近はなんでもノーカラーが多いですよね。だから襟付きがかえって新鮮で。形はどうやって決めたんですか?

大橋さん 細いより広い感じで。ワークジャケットのイメージが頭にあったので。

—— 襟の存在感がかわいい。

大橋さん 昔、zuccaにシャツ生地を2枚重ねたジャケットというのがあって、それをよく覚えていたんです。パタンナーさんが昔、zuccaにいた方で、そうそうあったね! と二人で盛り上がって。じゃ、私も厚手の生地ではなくて、シャツ生地を使ってジャケットを作ってみようと思ったの。

—— デザイナーの小野塚秋良さんがいらっしゃった頃ですね。どのあたりが好きなポイントですか?

大橋さん やっぱり、小野塚さんの発想がもう、かわいい。なんて説明したらいいんだろう……小野塚さんの作るものに影響されて育った、というところはあるのかもしれない。

—— 大橋さんのルーツを感じさせる一着でもあるんですね。ボタンを外して、袖口をバサッと大きく折り返せるところもいいなって。

大橋さん ジャケットだからと気負わずに、着崩せる感じがいいと思うんですよね。

—— 撮影前に迷っていた、ストライプのシャツを合わせるコーディネートも素敵でした。

大橋さん そう、中はシャツでもTシャツでもいいんです。

—— さっきのローブもですけれど、このジャケットもすごく軽くてびっくりしました。ローブがフェミニンだとしたら、こちらはメンズライク。どちらか1枚あったら、重ね着上手になれそう。

・・・

〜 Contents 2 〜
小物の使い方で
広がる着こなし術。

少しずつ増えつつある、fruits of lifeのおしゃれ小物たち。
お気に入りの一枚を、もっと自分らしく着こなしたいとき、
今の気分にしっくりくるひとひねりを入れたいとき。
「1つあると、いいですよ」と大橋さん。
ヘッドスカーフ、ベルト、新色ミュールの3点をご紹介します。

その1
スカーフの遊び心。

「ヘッドスカーフを作ろう」
と思い立って、試作品が届いたら、首にも巻いていいよね、ベルトもいけるかな?
と鏡の前であれこれ試していたと大橋さん。
服の場合もそうだけれど、試作品を実際にスタイリングしてみて、
最終的なデザインを仕上げていくのが、いつものやり方。
結果、頭に巻く、首まわりに、ベルトとして、と3通りの巻き方ができるスカーフが完成しました。

シックにターバン風。

「頭に巻くターバン的なもの、というと派手な柄だったり、
意外とシンプルなものが見つからない。
たまたま手元にあったコットンシルクのサテンを巻いてみたら、
柔らかい生地だから、頭のラインに馴染んで
ボリュームが出すぎないのがいいなと思って」
ヘッドスカーフをしている著名人として思い浮かべるのは、
作家の白洲正子さんや「人は女に生まれるのではない。
女になるのだ」という名言で知られるフランスの哲学者ボーヴォワールだと大橋さん。
「ヘッドスカーフをしている人=知的な人、というイメージ。
落ち着いた色ばかりだから、シックな雰囲気になると思います」

フロントに小さなノットを作るのがポイント。

① 後頭部に回して、両端を前へ。

② 前で一回結ぶ。

③ もう一度結んで、こぶを作る。

④ 後ろに回して結ぶ。
※額から後頭部へ回して、フロントで結ぶ逆バージョンも試してみて。

fruits of lifeスカーフ ブラック
fruits of lifeドット ドルマンスリーブシャツ

 

タイ風に、首まわりのアクセント。

スカーフというと正方形が定番ですが、
頭に巻いてちょうどよいサイズにこだわった結果、
横150cm×縦 25cmの横長に。
小さなマフラーを巻くのと同じ感覚で、
1回結ぶだけでもきれいに形が作れます。
また横長の形を生かしてアスコットタイのように結んでも。
「グレージュだと顔色が明るく見えるのも嬉しい。
ネイビーはドットによく合います。
夏なら、首の日除けにもなりますよ」

 

サッシュベルト風にウエストマーク。

幅を生かして、太めのサッシュベルトとして巻く。
セットアップ風コーディネートのバリエーションとしておすすめです。
素材はシルクコットンのサテン地。
裏を表地として使っているので、光沢も控えめ。
例えばドットプルオーバーとドットタックスカートのセットアップに、
ネイビーを合わせてみたり。
「同系色と合わせるのが使いやすいと思います」
ブラック、ネイビー、グレージュ、
ここでもそれぞれの楽しみ方ができそうです。

幅広に当て、後ろに回して結んで完成。

fruits of lifeスカーフ ブラック
fruits of lifeブラウス ネイビー(4月入荷予定)

その2
ローブを着こなすコツは?

「ローブってどうやって着たらいいですか?」
お客様と対面のポップアップストアで、オンラインショップへのお問い合わせでも、
度々あるというこちらの質問。その度に、
「お手持ちの細いベルトがあったら留めてください、とおすすめしていたのですが」
と大橋さん。
今は晴れてオリジナルのベルトをご紹介できます。
「オキーフローブと合わせることを想定して作りました。パンツ用ではない、こういう飾りベルトって探してもなかなかなかったりするかもしれない。手頃な値段で、カジュアルに使えるものをと『que』さんにお願いして。一本あるだけで、全然違ってくると思いますよ」
薄い牛革で小さなリング式のベルトです。
「ウエストの自分の好きな位置で留めてもらえれば。ゆるく腰の下の方に巻いてもいいし、きゅっと合わせて、上の方の位置でウエストマークしても」
さらりと羽織るのと合わせたら、これで3通りの着方が。ぜひベルトと合わせて着こなしの幅を広げてみたい。

① ゆるっとローウエストで。リラックスした着心地。

② 少し高めの位置で締めると、ドレッシーな雰囲気に。

fruits of lifeベルト
fruits of lifeオキーフローブ 甕覗
fruits of lifeコットンシルクワイドパンツ(4月上旬入荷予定)
カットソー(私物)

その3
新色グレージュの強み。

人気の『que』とのコラボレーション、ミュールに加わった新色がこちら。ベージュ+グレー=グレージュ。
パリの街を描いた画家ユトリロの絵を思わせる、雰囲気のある色です。
「とても合わせやすい便利な色。例えば白っぽいコーディネートには白いスニーカーや靴を合わせがちだけれど、ちょっと爽やかすぎるな、というときありますよね。そこに薄く色の入った靴が来ると、ニュアンスがつくんです」
これまでのホワイトコーディネートも新鮮になりそうな予感。ダークトーンのコーディネートが少し重いなというときには、足元にぬけ感を出すことも。
「グレージュの靴はなかなかないと思うので、ぜひお試しを」

ごく薄いライトグレーのスカートと。白っぽいボトムをほどよく引き締める。

ダークトーンのコーディネートの足元を明るく。

fruits of lifeミュール グレージュ
fruits of lifeタックスカートロング 月白
fruits of lifeドット ローブ
fruits of lifeコットンシルクワイドパンツ ネイビー(4月初旬入荷予定)

この一着でコーディネートがきまる!

UNIVERSAL TISSU ハーフスリーブ3Dオールインワン

この深さがちょうどいい。佇まいのいいフライパン

野鍛冶やまご ちょっと深めの鉄フライパン

くらすこと × pot and tea

肩掛けワンハンドルトート

「使いたい時だけ」が便利!コンパクトなキッチンにも◯

すっきり暮らす水切かご

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くらすこと さらっとなめらかリネンソックス

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くらすこと ドルマンスリーブ カットソー

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Nature is me 入眠スイッチミスト

シルクで足元を温め、夏の体調管理を

くらすこと シルクのレッグウォーマー

つけてないみたいに軽くてふわふわ

くらすこと シルクコットンのうすふわ腹巻

ここちよく、いとおしい、肌にやさしい自然素材から生まれる布製品

atelier Une place (アトリエユヌプラス)

使って、眺めて、わたしの台所時間をより豊かに。

くらすことの生活道具 木蓋の入れもの

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