「忘れん坊の母が、忘れたくないこと」

「忘れん坊の母が、忘れたくないこと」
 引越の片づけをしていて、本の隙間から長男がハイハイの頃の写真が出てきた。
見慣れたアルバムにはない表情。「こんな頃もあったなあ」って、
小さな彼を抱っこしたときの感触を懐に思い出し、愛おしさがこみ上げてくる。
この頃、どんな毎日を送っていたんだろう。
どうやってお喋りするようになったのかな。
そんな大事なことを全部覚えていたいけれど、今となっては細かなことは
ほとんど覚えていない。
けれど、「ああ、この時を、この場面を忘れたくない」と思い、
そう願わずにはいられない親としての至福の瞬間というものがある。
それらはいずれも特別な何かがあったとか、どこかにいったとか、
取り立てていうこともない事柄ばかりだけれども、私にとっては掛け替えのない一瞬。
しとしとと夕方から降り続く雨。3人目の赤ちゃんがお腹にいて、
その日はお腹が張るので一日横になっていた。
夜の10時を過ぎても1才のわこがなかなか寝つけず泣いてぐずるので、
おんぶしてあやす。
隣の布団で眠りにつこうとしていた長男が、立っておんぶする私を心配してくれる。
「かあかあ、赤ちゃん大事でしょ?」
「お腹の赤ちゃんも大事。わこちゃんも大事。だから大丈夫。」
「そっか。大好きなかあかあ、おやすみ。」
雨音が心地よく、背中でスヤスヤ寝息をたて始めた我が子の温もり。
そして傍らで母を気遣い眠りにつく、小さな愛しい子。
ああ、忘れたくない。この時をいつまでだって覚えていたい。
食べそびれた夕飯を近所の蕎麦屋ですませ、ごちそうさまと店を出る。
大きなお月様がぽかり。
「お月さま、こんばんは。おっきいね」とお月さまに話しかける上の子。
「きれいだね。今日は一段と大きいね」とみんなで言い合い、
ちょっと遠回りしてのんびり空を見上げる。
つなぐ、小さな手。
みんなで見る月。
こんな何気ない夜の幸せも、今、その瞬間だけを生きる子どもたちに
ついていくのに精一杯で、きっと忘れていってしまう。
けど、記憶としては消えていくけれど、このあったかい気持ちは、
心の真ん中に真綿のようにふわりふわりと積み重なっていく。
忘れん坊の母だけれど、そんな何気ない小さな幸せを、
いっぱいいっぱい積み重ねていきたいといつだって思っている。
今は繋ぐ小さな手が離れるまでは、おいしいね、きれいだね。楽しいねと、
たくさんのそんな瞬間を子どもと一緒に過ごしていきたいと思う。
藤田ゆみ(くらすこと)
(2008年11月25日 初出『『こどもと一緒に、カメラをもって mama’s camera』vol.5』)

(2010年4月30日)

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