種と旅と at くらすこと

種とその多様性を考え、それぞれの土地の在来種を味わうイベント、「種と旅と」。
有機農業者が集まる土地、長崎雲仙で”繋げる場”を営むオーガニック直売所タネトと、旅する八百屋ミコト屋が企画し、全国各地で様々な催しが開催される15日間の祝祭です。

今年の開催期間:

7月21日から8月4日

普段何気なくスーパーで買っている野菜、そのほとんどは、大量生産に都合がいいように品種改良されたF1種。F1種は、1度収穫したらそこまでで、農家は種を買い続けなければいけません。それに対して、昔から種をつなぎ、受け継がれてきた野菜を、在来種、古来種野菜といいます。

多種多様な形、味わいを持つ在来種、古来種の野菜は、種をつないでいかなければ、そこで途絶えてしまいます。その存在をまず知る。育てている人たちのことを知る。そして何より、おいしく食べることが、この豊かでおいしい野菜を次の世代へと届ける一助となります。

くらすことでは、平尾のカフェにて雲仙のアイスソルベ専門店「R CINQ FAMILLE(アールサンクファミーユ)」から届くアイスソルベの販売、八百屋の金子商店さんの在来種の野菜の販売会、のの艸」のサワムラヒナさんが山や畑にいま咲く草花でくらすことの店内を彩るなど、自然の息吹を感じることができます。

種と旅とのインスタグラムでもリアルタイムでトークライブやイベント情報が発信されていますので、ぜひチェックの上、ご参加ください!

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「R CINQ FAMILLE」のアイスソルベがやってきます!

長崎県雲仙市小浜町にあるパティシエの松尾利博さんが作るアイスソルベ専門店「R CINQ FAMILLE(アールサンクファミーユ)」。在来野菜を作る雲仙のレジェンド農家、岩崎さんの野菜や地元で採れる果物や野菜を取り入れたりと、話題のアイスソルベをイベント期間中くらすことにて販売いたします。野菜やフルーツの色やかたちを切り取った美しくておいしい新感覚のスイーツを、この機会にぜひ。

種取り農家・岩崎政利さんのカボチャや島原バナナなど、その土地ではぐくまれた実りを組み合わせて作られる8種類のフレーバーからお選びください。

「R CINQ FAMILLE」のアイスソルベ販売

販売日:
7月21日(木)より販売開始 ※なくなり次第終了
販売場所:
ごはんとおやつ、雑貨の店 くらすこと(福岡市中央区平尾1-11-21-2F)

R CINQ FAMILLE(アールサンクファミーユ)
2018年に雲仙市小浜町にオープンしたパティシエ歴26年のオーナー松尾さんが手がける見た目も味も楽しめるアイスソルベ専門店。お店の名前の「R」は家族の名前の頭文字、「CINQ FAMILLE」は5人家族の意味。果物だけでなく野菜のおいしさも引き出す、季節の素材を使ったオリジナルアイスソルベが人気です。

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のの艸 サワムラヒナさんの草花をたのしむ

無農薬無肥料で自ら種から育てた庭や畑で育てる草花。そして自然にめぐる草木も分け隔てなく、いのちと自然の営みに沿った活動をしている「のの艸」のサワムラヒナさん。そんな山や畑にいま咲く草花を、8月から1ヶ月間、ごはんとおやつ雑貨の店くらすことの店内にディスプレイしてくれます。
山や畑の自然の息吹に彩られるくらすことをお楽しみください。

のの艸 サワムラヒナ
お庭(nonokusa)と山の畑2ヶ所で、植物を育んでいます(無農薬無肥料)。種から育てた草花も、自然にめぐる草木もわけへだてなく、そこにはさまざまな種が混在し、調和しています。そこで生まれたものによる 草花の活動をtsumugi(つむぎ)として、野草の活動を野草宙(やそうそら)としておこなっています。育むこと、暮らしに生かすこと、季節のうつろいにあわせて開催しているさまざまな催しを通して植物が持っている可能性と生命エネルギーを伝える活動をしています。

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金子商店の野菜を使ったランチプレートと野菜販売

九州のものを中心に、種採り野菜、自然栽培や減農薬の野菜、果物など、すべて直接作り手の農家さんから仕入れた、その時期だけの野菜がくらすことにやってきます。ぜひ、手と目をかけられたおいしい野菜を、日々の食卓に。おいしい食べ方も、金子さんに聞いてみてくださいね。

金子商店の野菜販売

販売日:
7月22日(金)と29日(金) 12:00〜15:00頃
販売場所:
ごはんとおやつ、雑貨の店 くらすこと 1階入り口前

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くらすことのカフェで提供するランチプレートにも、
金子商店さんから仕入れた在来種野菜を使ったメニューが登場します。

7月のメニューはサモサの中身に在来種のかぼちゃを使用し、8月のメニューは冬瓜を使っています。

くらすことでは毎週金曜日金子商店の野菜販売を行なっています。
変更になることもありますので、開催日は、くらすことのインスタグラムWebサイトをご確認ください

野菜のおすすめの食べ方

「おいしい野菜は料理人泣かせ。塩振るだけでおいしい!」という金子さん。
おすすめの食べ方は、なるべく”シンプル”に。オリーブオイルで焼いて塩をするだけで、その野菜が持つ特徴や味わいを感じられ、野菜が主役になるくらいおいしくお召し上がりいただけます。

「在来種の野菜を食べることが普通になってくると、特別じゃなくなる。特別視しないで、その”普通”、というのが、いいと思います。種を繋いでいくことに関しても、特別な気持ちより、いいな、と思う人が入ってきてくれたら。」(金子さん)

金子商店
様々な職を経て、2016年6月に金子商店として独立。 日本の種採り農家さんの野菜を中心に天然キノコや山菜などの特殊食材の卸し、販売をしています。ごはんとおやつ、雑貨の店 くらすこと1階入り口前にて、毎月、野菜販売を行なっています。

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Q.金子商店を始められた経緯を教えてください。
島原半島の田舎出身で、山も海もすぐ近くにあり、常に新鮮なものが食べられる環境で育ちました。様々な職を経て、さて、何をしようかと考えた時に野菜の作り手か売り手になるかで迷ったのですが、現状、農家さんが野菜をこだわって作っても、市場などに出すとなかなかちゃんと評価されない。どんな思いをもって農家さんが作っているのか、きちんと伝えられたらなと思って、八百屋になることにしました。

Q.取り扱う野菜の基準は?
その野菜がおいしいのはもちろんなんですが、作っている人と会って、その人を応援したいとおもうかどうかが一番大きいです。
具体的な基準としては、できれば無農薬のもの。肥料も、なるべく自分で作ったぼかしなど、植物系のものをとおもっていますが、減農薬のものも中にはあります。種採りの在来種の野菜も多くあります。

そもそも、種採り野菜って何?
現在、日本で流通する種、野菜のほとんどは、消費者の嗜好や流通、大量生産に都合がいいように品種改良された、F1種がほとんど。収穫は一度だけの1代限りで終わるF1種の特性から、種を採取しても、その野菜のもつ特性は引き継がれず、農家さんは種を買い続けないといけません。昔ながらの在来種、古来種は、種をつないでいかなければそこで終わり在来種は、ひとの手から手へ、長い年月をかけ種を受け継ぎ、大根一つをとっても、日本には100種類にも及ぶ種類の大根があると言われます。そのひとつひとつにはいろいろな色や形、多種多様な甘みや苦味など、奥深い味わいがあり、食卓にのぼるさまざまな野菜を通し、わたしたちは複雑で豊かな味覚を得てきたのですが、そんな野菜たちが、日々の食卓にのぼることは、年々、難しくなってきているのが現状です。

Q.どんな食材が並びますか?
野菜、果物、天然の山菜やきのこ。塩、オリーブオイル、お味噌などです。

Q.作り手の農家側に、歩み寄った八百屋。
九州では、大きな台風などが最近続いていますが、例えば、大雨のあとなど、ネギなんかは倒れてダメになっている場合が多いんですが、そういうことも理解して、発注をする。生産者にかなり歩み寄った八百屋だと思いね。
最近、天然のきのこなどにも力を入れていて、山に入る人が年々少なくなっているんです。
当たり前ですが、天然のものは自然環境に左右されるので、天候や自然のことを理解しないといけないし、
それを理解した上で仕入れる八百屋がいないと続いていかない。
食べてくれる人たちが、そういうことも理解して食べてくれると、さらに良い循環ができるんじゃないかなって思います。

Q.長崎・雲仙の種採り名人、岩崎政利さんのお野菜もお取り扱いされているようですが。
岩崎さんのところの種採りの勉強会に参加しています。
収穫や農作業の手伝いなどして種採りについて学ぶんですが、技術的なことは、数回足を運べば理解できる。
ただ、作業の合間に、
長年、種採りをしてきたひとにしわからない哲学的なことを、
ポロっと話しをしてくれるんです。
仰々しく勉強ということではなくて、そんな言葉を、
ちゃんと聞いておきたいと思っています。