青木美詠子×中川ちえ×藤田ゆみ トークイベント
「冷えとりとからだの話」レポート その2

ちえ 冷えとりをしていないと、また不思議なこと言ってる!ってちょっと怪しい感じなんですけど(笑)、いちばん下に履いてる靴下がね、あるときドカッと焼け落ちたみたいに穴があいたんです。いちばん下だから、こすれてるわけでもないと思うんですが。

——靴下の重ね履きをすると多くの方が経験しますね。足から出た毒素を絹繊維が吸いとって破れる。しかも、身体の悪いところに対応した部分が破れるといいます。

ちえ ここがあいたのか、へえ、と思って意識することって大事だと思います。自分の身体に、大切にしてあげてなかったね、ごめんねって。あと、身体を洗って半身浴をしたあとに浴槽のお湯を抜くと、水位だったところの縁が黒い! 私、そんなに汚れてるのかなって(笑)。やりはじめてすぐにはそんなことはなくて、ここ1~2年の話です。ということは、長年、積み重なっていたものがいまになってやっと出せるようになったということでしょうか。身体のことを考えるのって、おもしろいですね。

口に入れるもの、目にしてるもの、着るもの、全部

——ゆみさんは、冷えとりという言葉を知るずっと以前のあるとき、身体の不調は冷えからくるんだなって直感的に感じて。そのあとにあおきみさんの本に出会って、やっぱり!となったわけですが、それまでは冷えに対してはなにもしていなかった?

ゆみ ……うん、ほぼしてない(笑)。

ちえ 妊娠する前はどうだったんですか?

ゆみ 仕事がすごく忙しくて、いま考えると身体があるってことさえも忘れているような感じでした。頭だけというか。だから急に熱が出たりしても、その前後の生活のしかたが出てきた症状や病気につながっているとは全然気がつかず、ただそういうものって思っていました。それが、ひとりめを妊娠した直後に切迫流産の診断をされて、絶対安静を言い渡されたんですが、そのときに「これは下半身の冷えだ!あたためないと!」という直感が働いて、半身浴をしつづけ、無事に長男が生まれたということがあったんです。それから、特に女性の病気については冷えがきっかけになっていることが多いんじゃないかと思うようになって、冷えを意識するようになりました。出産はある意味いちばんのデトックスで、それまでのひどい生理痛もなくなったりと身体がとても変化して、自分に身体があったんだっていうことに気がついた(笑)。それで、体調の変化にもすぐ気がつけるようになりました。
私、風邪のときはだいたい最初に喉にくるんですけど、そのとき首の後ろの肩甲骨の間あたりがヒヤッとするんで、あ、風邪がくる!ってわかるんです。あとから野口整体なんかでも風邪がここ(風門と呼ばれるツボがある場所)から入ると言われているのを知って、やっぱりそうなんだと思いました。で、そんなときは、そこをまずカイロとかであたためて応急処置をして、夜、テルミー(※説明は後述)をかけるんです。それで治ってしまう。だから、体調を崩すということがほとんどなくなりました。
あと、子どもを育てていくなかで、おっぱいで子どもが大きくなっていくことや、食べるものが自分の元をつくっていることが実感としてわかるようになってから、“全部”なんだなって意識するようになりました。たとえば薬みたいに、これを飲んだら一気に変わるっていうことではない。自分が日々、心地よくいられる状態って、食べ物だけじゃないし、冷えだけでもなくて。心と身体と魂のバランスがとれているときが、自分のいい状態=健康なんだって。

ちえ ほんとにそうですよね。口に入れるもの、目にしてるもの、着るもの、全部。わかりやすいからついつい見える身体のことばかり言っちゃいますけど。

なんでも、ほどほどに

ゆみ いっぱいいっぱいにしすぎないことも大事ですよね。食べすぎないとか、忙しくしすぎないとか。なんでも8割ぐらいでおさえとくのがいいなと。

あおきみ なんでも、ほどほどがいいですね。

ちえ それを超えると痛い目に遭うようにできていて、カクンと疲れがきちゃったりして。そうなったら休めってことだなと気づかされる。

ゆみ 私、それができなくて体調が悪くなるまでつめこんでたんですけど、かかりつけのお医者さんに、あなたはまずそれを変えないと駄目って言われて。自分で止められないんだったら旦那さんに止めてもらいなさいって(笑)。子どもが生まれてからも、しばらくは昔の男性的な仕事のやりかたをひきずっていたけれども、身体の声を聞くように徐々に変化していった。体調もいっぱいっぱいではなくて、余裕がすごい大事。心の余裕もそう。余裕がないと、子どものことも悪いとこばかり目についたりしてしまいますが、自分に余裕があると、子どものいいところを見つけられるし、子どもとのいまだけを楽しめるんです。

「冷えとり」と「からだのこと」をキーワードに、食べ物や身につけるもの、自然療法関連のものなど、ちえさんの愛用品を持ってきてもらいました。写真左上から順番にご紹介。

麻の実油(ニュー・エイジ・トレーディング):最近の私の流行りです。熱を加えると成分が壊れてしまうので生でいただくオイルなんですけど、身体にどうこうというよりは、味が気に入ってしまって。ごまよりもうちょっとコクがあって独特で、クセになります。トーストに塩とつけて食べたりしています。

浄肌衣ボディタオル(塩野屋)&麻タオル(ユニプラス):週に1~2回、石けんもつけずにこれで身体を洗ったら、湿疹がおさまったんです。ゴシゴシしなければ顔にもいいです。鼻の黒ずみとか取れますよ。毎日使うとヒリヒリしてしまうこともあるので、麻タオルと併用しています。

浄肌衣マスク(塩野屋):真綿を挟んだ絹のマスク。絹には制菌性っていって、菌を抑える性質があるらしいんですよ。だから菌が繁殖しずらく、においも気にならなくなります。喉だけじゃなくて、肌にも保湿があっていいかなと、寝るときに使っています。靴下は重ねてるわ、マスクはしてるわ、この状態ひとに見せられないなって感じなんですけれど(笑)。

アルパカニットパンツ(プエンテ):これは感動しました。いわゆる毛糸のパンツなんですけど、猛烈にあったかいんですよ。レギンスの重ね履きをして、その上に履くと、もうほんとに本領発揮という感じ。丈が長いのもあって、あったかいしチクチクしないしで、もう冬場には手放せないんです。

※浄肌衣ボディタオル、麻タオル、浄肌衣マスクはちえさんの店「in-kyo」でもご購入いただけます(アルパカニットパンツは今シーズンは販売終了しています)。

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青木美詠子(あおき みえこ)
文筆家、コピーライター。著書に『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』『グッズとごはん』『大人のふだん着』『実際つくってる冷えとり簡単ごはん』の冷えとり四部作(メディアファクトリー)、『あおきみさんの妙に役立つ日々の知恵147コ』(幻冬舎)、『大人になっても、悩んだりしていいですか?』(大和書房)など。自費出版では、短い言葉を綴った『いちにちいちにち』『ひとりがけの椅子』がある。くらすことのウェブマガジンで『ちいさなこと』連載中、HP「あおきみノート」では日記など更新中。

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中川ちえ(なかがわ ちえ)
in-kyo店主、エッセイスト。青木美詠子さんの『冷えとり毎日』をきっかけに冷えとりをゆるやかにはじめて早10年以上。そのことは『暮らしのものさし』(朝日新聞出版)のなかでもふれています。in-kyoの店頭でも、お客さまとの会話にからだのこととたべもののことがのぼる機会が増えています。in-kyo.net

藤田ゆみ(ふじた ゆみ)
くらすこと主宰。小学5年生を筆頭に3人の母なので、子どもたちの育ちと生活の関係をつぶさに見つつ、心身ともに健やかな状態とは?と日々、ああかな、こうかなとやっています。著書に『子どもと一緒にスロー暮らす おかあさんの本』(アノニマ・スタジオ)。www.kurasukoto.com

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