
プライドっていうのは、それこそ前にお伝えしたように“習慣”なんですよね。なにかをやったおかげで助かった経験があるので、「これなら通用するだろう」と思って、壁のようにつくっていくと、どんどん高くなるーーっていうのがプライドで、積み方を覚えるんだけど、崩し方を知らないっていうね。それで、ある時倒れるのがプライドです。
プライドよりも大事なのは、もうちょっと自分っていうものを尊重してあげることですね。プライドは縦方向に行きます。でも尊重は横に広がる動きということですね。自分というパターンがいくつもある。「こういうパターンの自分がいるね」「こんなパターンの自分も自分なんだな」。それを知るためには一方向だけで見えません。だから、いろんなひとと話をすることを繰り返せば、プライドに頼る必要はなくなっていくんです。
質問にも書いてますけど、「プライドっていうもの自体が無駄だ」ってちゃんとご自分でもわかってるので。ただプライドは自分を支えてもくれているものなので、あまり否定してもしょうがないと思っていただけるといいな、と思います。
ご質問した方……「プライドが高い」って誰かに言われたんですか?
手相を見てもらって……
全然プライドないですねぇ(笑)。
それで、「え、わたしってプライド高いんだ」「じゃあ、自分のこと考えてみよう」って。
それは「プライドが高い」のではなくて、「プライドが高そうに見えますね」って言われただけです。その場合は、高そうに見えるだけであって、本当に高いかどうかはわからないので。
やっぱり言葉って難しいですよ。そこらへんは、「プライドが高い」っていうよりは日本語で言う「頑固」っていう言葉。それを言ってることが多いと思ってください。
この言い方なら、「わたし、頑固って言われたことある」ってひともーーうなずいてるひともいらっしゃいますね。それはどうしてかと言ったら、そうしないと守れない自分がいたということです。「占い師さんに言われた」ってことだったので、聞いてよかったわ。なので、そこはその方以外のひとに占ってもらってください(笑)。
それで無下な言葉というのはよくわからなくて。
わたし自身は思ったこともないのに、「あなたって○○よね」って軽く扱われるようなことを言われて。「そんなこと、このひとはわたしのどこを見てそう感じたんだろう」っていうことをちいさい時から何回か経験していて、「この経験の多さはなんなんだろう」って。
あぁ、みなさん、結構うなずいてますね。「あなたってこういうひとだね」って言うひとの方を見たことありますか?
覚えてはいます。言われてショックやったけん。強がってるひとでした。
っていうことは、今の答えからわかるに、あなたは「そうなんだ」って受け取ってくれるぐらい素直なひとってことなんです。無下な言葉をかけられるっていうのは甘えられてるってことね。「このひとならこんなことを言ってもいいだろう」って甘えてそういうことを言うんです。どんな言葉をかけられたんですか?
「留学行っとったけど、これぐらいしかできんよね」って。そのひとは、わたしとその日会ったばかりでなにも知らないのに。
それは完全に焼きもちですね。それは、そのままにしておけばただの関係ですけど、あなたに関心を持ってるから喧嘩を吹っかけてるわけね。
これは、仲良くしたいひとが仲良くなれないひとにするーー男の子でも、好きなひとに意地悪するみたいな関心の向け方しかできないひとがいますね。そういう対応といっしょで、あなたの問題ではなくて相手の問題です。だけど、「なんでこんなにわたしは……」って思う。それはなぜかというと、やっぱりあなたがあまり他人に関心がないからです。
そういうひとたちは、他人に関心がないひとを見るとやって来て、いろんなことを言います。
でも傷つくんですけど。言われたら。
そしたらどうすればいいですか?
反応せず離れます。
そこは間違ってます。「傷ついた」って言わないといけないですね。だって、あなた自身はそのひとに関心がないから、黙って去っていくでしょう。でもそのひとは甘えることをやりたいひとだから、ほっとくと誰にでもそういうことをやります。そして関心のないひとはずっとまたそれをやられる。ね? これをずっと続けてるだけで、関係性はなにもないです。距離の取り方が両方間違っているだけ。でも今、やっと言えましたね。「傷ついた」って。だから、次にそのひとに会ってもし同じことを言われたら……
「傷つくんですけど」って、言っていいんですか?
言わないといけないですね。自分以外のひとに関心を持ってもらいたいなら、「やめてください」って言わないといけないです。それがひとと仲良くなるやり方のひとつだと思ってください。つらかったんだったら、ちゃんと言いましょう。
そういう方は今、結構いらっしゃるんですよ。言われてることがあまりわからなかったり、嫌なこと言われても「なにもやってないのに」って思うひとは、他のひとに関心が薄い。だから、「自分が受け身で困っちゃった」ってひとはぜひ自分から話しかけてみてください。そうすると「わたしもひとに関心がない人間だったんだな」ってわかってもらえる。多分、今も「えっ、わたしってひとに関心ないんだ」って新しい疑問が湧いてると思うんです。ひとに関心がない、ひと以外のものには関心がある……なにか好きなものはありますか?
ひと以外で? わたし、ひとなんだけど……
今の、「にんげんだもの」でしたね(笑)。アイドルとかですか?
いえ、幼いひとたち。こどもに関心はたくさんあります。こども以外はどうでもいい。
ほら、「どうでもいい」って言っちゃいましたね。そういうことです。それが大人には伝わっちゃうわけです。こどもはちいさいから相手にしてくれます。なぜなら、あなたがこどもになりたいから。だけど大人は違います。大人からしたら、あなたは大人ですから。それを受け入れない限りは、ひとに対して「どうでもいい」って思ってるのが相手に伝わっちゃう。これは大人になりたいかどうかですよ、あなたが。
ちょっと大きい問題が出てきちゃいましたね。でもね、動物病院の先生とか保育士さんにもそういうところがあるんです。保育士さんだったら、こどもの味方になっちゃって「お母さんはなにやってんだろう」って思っちゃう。これは違いますね。お母さんもこどもだったんです、昔。あなたもそうよね。そういうふうに声をかけてあげてください。そう思うとお母さんもこどもも仲間でしょう?
こどもが好きなひとって声をかけられやすいと思います。わたしもそういうところがありますから。いきなり声をかけられたり、目の前でおじいちゃんが倒れたり、今までいっぱいあるので。それも「わたしってこどもなんだな」と思ってね。
でも、それを一個一個クリアして大人になっていかないと、しょっちゅうそういうことが起きるから。お子さんと関わる方ならなおさら、お願いします。
