友永淳子さん/友永ヨーガ学院院長 その1

友永ヨーガ学院の学院長、友永淳子さんが
ヨガとつきあいはじめてから、なんと、約半世紀。
親子3代にわたって学院に通っている人もいるというほど、
多くの人から信頼をあつめる友永先生に、
「見えないもの」との出会いを伺いました。

目がよく見える!
これは何かある、と

私の幼少時代は、いろんな意味で、目に見えないものが生活のなかに自然にありました。たとえば台所でかまどにちょっと寄りかかっちゃったりすると、火の神さまになんてことをするの!なんて怒られたり。お水のところにはお水の神さまがいて、というように、それぞれいろんなものが四季折々の日常生活のなかに、ひとつの約束事みたいにしてあったんですね。両親が特別、宗教的だったわけではなくて、世間一般にそういうものがありました。
そういう子ども時代を過ごして、体育大学に進学することになって東京に来たんですけど、生活がみんな地についてない、そういう思いがしました。我が家は畑もやっていましたから、それまで毎日土をいじり、土に親しんできたのが、急にコンクリートの生活になって、精神的にすごく不安定になるような気がしたものです。みんな、まがいもの、プラスチックでつくったようなもの。壊れちゃうようなイミテーション。リアルがない。そんな感じで始まったんですよね。

──ヨガに出会ったのはいつでしたか?

私は器械体操の選手として、国体や全日本に出ていたんです。最終的に重要になってくるのは精神力、イメージの力ですよね。自分のイメージのなかで段違い平行棒がどんどんできる──白昼夢みたいなものです。授業なんかそっちのけで、技を頭のなかで練っている。そういうときに瞑想するっていうのはすごく大事なことなんです。
そんなわけで、坐禅を組んでいた兄の影響で瞑想を始めました。15~16歳のときだったろうと思います。ヨガのポーズは本などの見よう見まねで、器械体操部でしたから、ひととおりのポーズはできたわけです。
出会いとしてはそんなことでしたが、大学生の終わりから数年間、体育の教師をしていたことがありましてね。その頃、気圧の高低が激しいときに頭痛がしたり、眩暈がしたり。いわゆる低血圧の独特な症状ですが、あまり体調がよくなくて。そんな私に同僚が「ヨガやってみたら?」というので始めたんですね。
インドから見えていた先生に1年ほど手ほどきを受けて、気持ちがいいものだな、身体が治っていくなっていうのはわかっていて、ちゃんとやりたいなって思っていたところに、あるヨガ教室に行く機会を得ました。22~23歳ころだったでしょうか。レッスンを受けた帰り、目がよく見えるんです。それまではピントが合わせられなかった駅の掲示板の文字がはっきり見える。これは何かがあるって、本当の意味でそこでヨガに出会ったんですね。それから真剣に学ぶようになったのです。
それで、猫のポーズというのがすごく私に合うということがわかった。肩甲骨を調えると骨盤を調えられ、骨盤を調えると胸骨が調えられ、そして肋骨が調えられ、頭蓋が調えられる。そうすると、目のピントが合うんですね。そんなことで、いわゆる東洋医学の大元になっているところのヨガの教えに目覚めました。

どこにいても、どういう状況でも
自分は自分であること

じつは、ヨガのすばらしさに出会ったとき、家族を捨てたくなったんです。捨てるというと言葉がすごくあれなんですけども、アーサナをして、瞑想して、自分が超越したような気持ちになりました。現実世界と自分がすごくかけ離れた状態になっていくんでしょうね。そうすると、そういうかけ離れたほうの世界だけにいたい。そういう世界で暮らしたい。そんなすごく危ない時期がありました。真剣にやっていくと、きっと多くの人にそういうふうな分かれ道があるんじゃないでしょうか。今となってはみなさんには、そういう世界か現実世界、日常の生活のなかで自分をどう見出していくかを選ぶときには冷静に考えなければいけないよってお話するんですけどね。

──そのときはどうやって戻ってきたんですか?

現実に子どもがあって、その子どもをどうするかということを冷静に突き詰めて考えたときに、私は子どもたちの母親である、母性というものをちゃんとここで育てなきゃいけないって、地に足がついたんです。

──現実世界を選んだとしても、もうひとつの世界を放るわけではないですよね。その世界観を内包しながら、現実で生活をする。

そういうことです。できなきゃ、嘘なんだと思います。わかってきたことは、どこにいても、どういう状況にあっても、ほんとにいい意味で自分は自分で、惑わされるところから離れられるんだろうなと思うんです。

友永淳子
友永ヨーガ学院学院長。群馬県高崎市出身。東京女子体育大学体育学科、明治大学法学部卒業。渡印、渡米によりヨーガ指導法を学ぶほか、至心流剣術師師範。

友永ヨーガ学院
シバナンダヨーガを基本とした友永ヨーガメソッドを推進するヨガ教室。1978年の発足以来、親子3代にわたる受講者も。東京・荻窪の本校のほか、現在は全国に友永ヨーガを学べる教室がある。なお、本校には足圧法(www.sokuatsu.info)のマッサージスペースも併設。足圧法を学ぶコースもある。
www.tomonagayoga.org

tomonaga友永淳子さん出演DVD

「友永式朝ヨーガ夜ヨーガ」
友永淳子 (出演), 福島毅 (監督), 友永乾史 (監督, プロデュース)
3,800円

朝と夜、それぞれのコンディションにあった30分のヨーガDVD。
朝は交感神経を働かせ、夜はほっとくつろげる呼吸とアーサナを紹介しています。
毎日、少しずつ自分の体と呼吸に向き合う習慣をつけることで、
日常の感覚が、驚くほど研ぎすまされていくはずです。

DVD「友永式朝ヨーガ夜ヨーガ」ご購入はこちら(Amazonへ)

この一着でコーディネートがきまる!

UNIVERSAL TISSU ハーフスリーブ3Dオールインワン

この深さがちょうどいい。佇まいのいいフライパン

野鍛冶やまご ちょっと深めの鉄フライパン

くらすこと × pot and tea

肩掛けワンハンドルトート

「使いたい時だけ」が便利!コンパクトなキッチンにも◯

すっきり暮らす水切かご

梅雨特集

しとしとを愉しむ、くらすことの梅雨支度

今季は「トマト」「ライトグレージュ」色が新登場!

くらすこと さらっとなめらかリネンソックス

涼やかに、わたしらしく。

夏に着たいお洋服を集めました。

夏の定番アイテムが一新、楽ちんTシャツ

くらすこと ドルマンスリーブ カットソー

春夏の定番になってくれる満点ボトム

くらすこと リネンコットンパンツ

眠る前にシュッとひとふき、眠りモードへスイッチON

Nature is me 入眠スイッチミスト

シルクで足元を温め、夏の体調管理を

くらすこと シルクのレッグウォーマー

つけてないみたいに軽くてふわふわ

くらすこと シルクコットンのうすふわ腹巻

ここちよく、いとおしい、肌にやさしい自然素材から生まれる布製品

atelier Une place (アトリエユヌプラス)

使って、眺めて、わたしの台所時間をより豊かに。

くらすことの生活道具 木蓋の入れもの

「小さな森 イスキア」を訪ねて 2. おむすび

佐藤初女さんのおむすびが教えてくれたこと

生きるさまざまをからだ、整体を通して捉えなおす

川﨑智子さんと整体のお話と対話の集い〈Q&A編〉