JUNICHI OGAWA

季節のレクチュール #2・春 その2
Lecture des Saisons #2 – Printemps – 02

構成・文 松本 あかね
写真 有賀 傑

※レクチュールlecture:(仏)古くはレッスン、講話という意味を持つ言葉

「季節のなかのわたし」をテーマに、セラピストの小川純一さんが3回にわたり、
毎日のなかにとりいれたい、心と体のためのひとときを提案します。

許しのレクチュール
〜自分を許す

自分を許す近道。
それは、自分の体と心を許してあげること。

「許す」、というとまず皆さんの頭に浮かぶのは、
相手を許すためにどうしたらいいのか、ということかもしれません。
でもいちばん最初に僕が提案したいのは、まず「自分の心と体を許す」ということ。
全ての答えは自分自身の中にあります。
相手を許す許さないということは、その結果であって、今はどちらでもいいこと。
まずは自分自身の中にあるものを認めていくことが先です。

春の心と体

春は新しい命が生まれ、新しいエネルギーが流れ込んでくる季節。それはいわば地球がわたしたちの心と体にくれる「許し」。言い換えれば新しいチャンスなのだと思います。

人の体は春になるとゆるみだし、冬の間に蓄えていたもの、体の中に縮こまっていたものが、外へ向かって溶け出していきます。冬の間、体を動かす機会のなかった人、薬や栄養ドリンクでなんとか頑張ってきた人、お酒を飲みすぎたり、甘いものをたくさん摂っていた人は、もしかしたら体に溜まっていたものが一気に外へ出てくることがあるかもしれません。それが花粉症として涙や鼻水で体の外へ出ていくこともあれば、熱が出て食欲がなくなったり、体のだるさが目立ってきたりすることもあるでしょう。

そして体がゆるむということは、心もゆるんでいきます。冬の間に縮こまっていた心がゆるむことで、今まで考えないようにしていた不安や心配ごとがあふれだすことも。そうでなくても新生活で心が緊張するこの時期は、心が不安定になりやすいもの。四月病、五月病といわれるのもそのせいです。

全部、春が許してくれるから

もしそうやっていろんなものが出てきたとしても、そんな自分を「だめ」と思ってしまわないで。くしゃみも涙も出てつらいとしたら、それはどこかでつらい自分がいたのだから。それを代わりに春が出してくれているのですから。

僕は花粉症も、春先の風邪も、健康の証だと思っています。それだけエネルギーが外に出よう、解放されようとしているのだから、それは自然なことだし、花粉症になることや風邪をひくことがいけないわけでもなくて。無理する必要はないけれど、体に出てきている反応をちゃんと感じてあげること。それが、自分の体を許すことなのかもしれないと思います。

花粉症がくれるメッセージ

僕も花粉症になります。甘いものも好きだし、自分を許せていない部分、認められない部分もいっぱいあるし。そういうものが春という季節によって全部外に出てくれているのだから、花粉に反応し始めると、「よかった、出すことができて」と思います。花粉症にならないことが健康ではなくて、自然のリズムにのっていることが健康だと思うから。

自分を許すことって、自然のリズムを許すことでもあります。それはこの命の仕組み全部を許すことでもあって。すごく深いことなんだなって、くしゃみをしながら思います、毎年。

心の受容の時間

4、5月は新生活も始まるし、なおかつ、わたしたち自身も生まれ変わっているとき。でもともすればそんな新しい自分にも慣れなかったりして、だから不安定にもなるんです。そういうときには外へ向かって発散するよりも、内側でちゃんと感じてあげないと。そうでないと心はずっとメッセージを投げかけてきますからね。

揺れる心に寄り添う

僕も、4、5月は心が揺れるんです。すっごく揺れるんですけれど、それでも揺れを解決する方法を探すのではなくて、ただ揺れている自分をちゃんと感じてあげる時間が必要だと思っています。それってけっこうつらいし、怖いこともあるんですけれど、それをすることで、意外にすっと自然におさまっていくものなんです。

揺れることって、問題提起ではないんですね。ただ揺れているだけだから、「そうか、揺れてるんだね、しんどいね」と感じてあげながら、自分の心に寄り添うことが大切だと思います。春の心ってそういうものだから。

ゆっくりのすごし方

揺れているときほど、人ってそれを感じないように、お酒を飲んだり、甘いものを食べたり、友達と喋ったり、外に向かって発散しようとしてしまうけれど、そういうときこそゆったり穏やかな時間を持つことが大切です。家族とゆっくりすごしたり、料理や読書をしたりして心穏やかにすごしていると、次第に心も明るくなって、春を楽しめるようになってくるでしょう。

お庭をいじったりするのもいいですね。庭仕事のときは一人になれて心も落ち着きます。僕はお花屋さんにもよく行きます。部屋中をお花で飾ったり。庭の新芽を摘んで生けてもすごくきれいで、それだけで気持ちも晴れやかになります。

それと春は一年のうちでいちばん海に行く時期でもあります。春の海ってほんと気持ちいいんですよ・・海って浄化してくれるんです。抱えているものを全部受け取ってくれるんです、お母さんのように。

冬もそうだけど、春は自分の生活を豊かにできる時期です。春の生活の豊かさはもっと開放的で華やかで、美しいものだと思います。

MEME

「本当の私と出会う」をテーマに、スピリチュアルな感性をもっと身近に感じるスピリット&ライフマガジン『MEME(ミーム)』。カウンセラーであり、アーティストである小川純一さんが自ら編集長になって立ち上げた小さな冊子です。

MEME spirit&life magazine issue #01
MEME spirit&life magazine issue #02

[lecture]

この一着でコーディネートがきまる!

UNIVERSAL TISSU ハーフスリーブ3Dオールインワン

この深さがちょうどいい。佇まいのいいフライパン

野鍛冶やまご ちょっと深めの鉄フライパン

くらすこと × pot and tea

肩掛けワンハンドルトート

「使いたい時だけ」が便利!コンパクトなキッチンにも◯

すっきり暮らす水切かご

梅雨特集

しとしとを愉しむ、くらすことの梅雨支度

今季は「トマト」「ライトグレージュ」色が新登場!

くらすこと さらっとなめらかリネンソックス

涼やかに、わたしらしく。

夏に着たいお洋服を集めました。

夏の定番アイテムが一新、楽ちんTシャツ

くらすこと ドルマンスリーブ カットソー

春夏の定番になってくれる満点ボトム

くらすこと リネンコットンパンツ

眠る前にシュッとひとふき、眠りモードへスイッチON

Nature is me 入眠スイッチミスト

シルクで足元を温め、夏の体調管理を

くらすこと シルクのレッグウォーマー

つけてないみたいに軽くてふわふわ

くらすこと シルクコットンのうすふわ腹巻

ここちよく、いとおしい、肌にやさしい自然素材から生まれる布製品

atelier Une place (アトリエユヌプラス)

使って、眺めて、わたしの台所時間をより豊かに。

くらすことの生活道具 木蓋の入れもの

「小さな森 イスキア」を訪ねて 2. おむすび

佐藤初女さんのおむすびが教えてくれたこと

生きるさまざまをからだ、整体を通して捉えなおす

川﨑智子さんと整体のお話と対話の集い〈Q&A編〉