あたらしくて、楽しい。むずかしくないから、真似したい。《作ってみたくなるレシピ》

第1回
『ちょっとしたおもてなしにも、日常にも使える食卓』

 

子どもの頃、毎日のごはんは作ってもらうものでした。
大人になったわたしたちは、自分で作って食べたり、作って、誰かに食べさせたり。その食卓を準備する側になりました。

どんな人も、食べることは毎日のこと。

好きなものや苦手なもの、子どもが食べられないものと大人が食べたいもののジレンマ、野菜は足りてるか?苦手なものも少しは食べてほしい。今日の献立がまったく思い浮かばず困った!なんて日もある。

その一方で、くりかえし作ってきたレシピは、作る方も食べる方もなんだか飽きてきたような。

そんなに手間はかけられないけれど、このマンネリ化した食卓にどうにか新しい風を吹き込めないものか?なるべく作って食べたいと思っている人のごはんづくりに、新鮮さやワクワクを届けられたらー。

そんなモヤモヤから抜け出す道を照らしてくれるのが、相方の岡本雅恵さんと結成したフードユニット「TORi」として、「世界のお母さんの味と古くから伝わる保存食」をテーマにカフェの運営やケータリングの料理を手がけてきた和田麻紀子さん。2022年に福岡に移住された麻紀子さんにくらすことがお声かけしたのがきっかけで、食卓まるごと、メニューを考えていただくことに。

野菜の切り方から調味料の使い方、素材の組み合わせ。ケータリングの現場で培った、わあっと気持ちが高まるような盛り付けのポイント。大人と子どもが一緒に食事を楽しめる工夫。「いいこと聞いた!明日やってみよう」と試してみたくなる、そんなレシピをお届けします。

今回は、新しくくらすことで取り扱いがスタートした釜浅商店の台所道具を使っていただき、その使い心地の率直な感想もお聞きしましたので、そちらもぜひ参考にしてくださいね。

Photo:Haruki Anami

教えてくれる人:和田(鷲巣)麻紀子さん

神奈川県生まれ。3歳と7歳の姉妹の母。世界のお母さんの味と古くから伝わる保存食をテーマにフードユニットTORiを岡本雅恵と共に主宰、2021年まで東京で活動。2022年、土に近い生活を、と福岡県那珂川市に移住し、無農薬野菜を育てる畑で働きながら食まわりのことと改めて向き合う生活をしている。

インスタグラム

● ▲ ■

+ + +

1.

鮭ときのことごぼうのバルサミコ混ぜご飯

混ぜご飯はトッピングで味変!
大人も子どもも、それぞれ楽しめる。

おもてなしのご飯や、
大人と子どもが一緒に囲むご飯は
それぞれが好みの味に調整したりパンチを出すために、トッピングが大事です。
季節の柑橘の香りや、好みの香草を添えて。
しっかり黒胡椒をしてもいいし、
エスニックにパクチーとライムも美味しいです。

材料(大人2人、子ども2人を目安に)

  • 鮭 120g(大きめ1切れ)
    10%の塩麹に前日からつけておく ※塩鮭でも可
  • ごぼう 1/2本
  • しめじ 大1/2pc
  • オリーブオイル 小さじ2
  • バルサミコ酢 小さじ2
  • 醤油 小さじ2
  • 塩 1つまみ
  • ご飯 2合
  • 雑穀(お好みで)大さじ1

[トッピング]

  • 三ツ葉 3cmにカット
  • 大葉 千切り
  • カボスなどの柑橘類
  • 柚子胡椒+オリーブオイル

つくり方

  1. お好みで雑穀を入れてご飯を炊いておく。鮭は焼いて骨と皮を取って大きめにほぐしておく。飯台は水にさっとくぐらせて拭き、水気をまとわせておく。
  2. ごぼうは皮を軽くそいで小口に薄くスライス。水にさっとさらす。しめじは石づきを取りバラして大きいものは小さくカットしておく。フライパンにオリーブオイル、しめじ、ごぼう、塩を入れて炒め、バルサミコと醤油を入れて水分がなくなるまで炒める。
  3. 飯台にご飯とその他の具材を入れて切るように混ぜる。
  4. お好みでトッピングを添えて召し上がれ。

輪切りにしたごぼうとバルサミコ酢の味付けが新鮮!

ラップでぎゅっとにぎれば、見た目もかわいらしい小さなおにぎりの出来上がり。子どもも食べやすく、次の日の朝ごはんやお弁当にも。

使った道具
釜浅商店 木曽さわら飯台 30cm

思ったよりも大きく高さがあって一番小さいサイズでも存在感があっておもてなしにも十分使えます。くっつく感じは全くなかったです。使用した30cmの飯台だと3合もしくは4合でちょうど良さそう。酢飯だけならもっと入ります。混ぜご飯を入れたままおもたせにケータリングに使い勝手が良さそうです。

釜浅商店 木曽さわら飯台 へ

2.

ベーコンとネギのだし巻き卵

ごろごろ具材が入っているだけで、
「いつもと違う」!
素材の旨味を卵に合わせるという技。

子どもも大人も好きな材料でオムレツのような卵焼き。
ジュワーっといろんな旨味が出てきて、それだけでご馳走になります。
粒マスタードを合わせるとおいしい!
だしはだしパックなどで簡単にとっておいて
お味噌汁でもなんでも活用すると便利です。

材料

  • 卵 3個
  • ベーコン 2枚
  • ねぎ 1本
  • だし 30ml
  • 醤油 小さじ1
  • みりん 小さじ1/2
  • 塩 1つまみ
  • 粒マスタード

つくり方

  1. 1cm幅に切ったベーコンとみじん切りにしたねぎを油(分量外)でくたっとするまで炒めておく。
  2. すべての材料を混ぜて、熱した卵焼き器に油をなじませて拭き取り、1/3の卵液を入れて全面に広げ、ゆるく固まってきたら手前側へ巻く。奥に寄せて再度卵液を入れ、焼いた卵の下にも流し入れて巻く。もう一度繰り返す。
  3. あれば巻き簾などで巻くと落ち着く。粒マスタードを添えてどうぞ。

具沢山で食べごたえのある卵焼き。多少くずれても最後はまとまるので気にせずに!

使った道具
釜浅の銅厚手たまご焼器 関西型

くっつくなんて何も感じないくらいするりと焼けて感動!仕上がりもふっくらで、熱伝導の早さも驚きでした。我が家では子供も使うのでくっつきづらい素材のものを使っていて、買うのをずっと迷っていたけれど買うことにしました。育てる楽しみを家族で味わいたいと思います。

釜浅の銅厚手たまご焼器 関西型 へ

3.

いちじくの白和え

和え衣+季節の果物で応用できる。
おかずにも、おつまみにもなる白和え。

和え衣を作っておけば、季節のもので塩味や甘みを調整して和えるだけ!チーズ感があるのでくるみや生ハムを入れると簡単おつまみになります。
個人的にはいちじくは皮ごと食べるのが好きですが、
皮をむいて和えるとより馴染んでまた違った味わいになります。

材料

  • いちじく 3〜4個
  • 絹豆腐 100g
  • 練りごま 大さじ1
  • 醤油 小さじ1/2
  • 砂糖 小さじ1/2
  • 塩 2つまみ

つくり方

  1. 豆腐はキッチンペーパーに包んで重石をして30分以上水切りしておく(前日から置いていても)。いちじくを1/8にカットしておく。
  2. すり鉢に豆腐を入れてすりこぎで潰し、調味料を入れてよくなじませるように混ぜ、いちじくを入れて和える。

水切りした豆腐がチーズに見えてきました。

豆腐の水切りさえしておけば、あっという間に出来上がり。

使った道具
釜浅商店 常滑焼当たり鉢 フチライン
高田耕造商店 山椒 擂粉木(すりこぎ)

和えてそのまま食卓へ出せるのもうれしい!リムの色が入っているのがさりげなくかわいい。すりこぎがすごく曲がっていて、それが使いやすかったです。

釜浅商店 常滑焼当たり鉢 フチライン へ

高田耕造商店 山椒 擂粉木(すりこぎ) へ

4.

たことひよこ豆のアヒージョ

材料入れて、火にかけるだけ。
アヒージョ→パスタのリメイクは覚えておきたい。

アヒージョには豆を入れるのが好みです。
大豆でもいいし、白花豆などなんでもおいしい!
火の通りを気にするものが入っていないので
オイルが完全に浸ってなくてもよく、実は気負わずに作れる一品。
子どもも一緒に食卓を囲むのであれば、唐辛子は別添えにすれば大人も子どももおいしく食べられます。
残ったらパスタにアレンジするのもおすすめです。

材料

  • たこ 1パック
  • ひよこ豆(茹で) 100g
  • マッシュルーム 1パック
  • オリーブオイル 適量
  • にんにく 1片
  • 塩 小1/4
  • ローリエ 1枚
  • タイム 2本
  • 唐辛子
  • バケット

つくり方

  1. タコは大きめの一口大に、マッシュルームは大きければ切っておく。にんにくは潰しておく。全部を浅鍋に入れ、かぶるくらいのオリーブオイルを入れて火にかける。クツクツしてきたらアクを軽くとって5分ほど加熱して出来上がり。
  2. 唐辛子は別添えにしても一緒に入れてもお好みで。スライスしたバケットを添えて召し上がれ

使った道具
釜浅商店 南部浅鍋 20cm

スキレットとして調理道具としてももちろん勝手がいいお鍋ですが、食卓に並んだ時の映え方が印象的で、そのままオーブンにも入れられるのも魅力的。キャンプにもいいですね。

釜浅商店 南部浅鍋 へ

5.

ひじきとつるむらさきのマリネ

煮物以外のひじきの使い道。
つるむらさきは季節の青菜で応用OK。

ひじきのマリネは、煮物よりもよく作るレシピ。
食卓のメニューによって甘くしないとか、酸味を加えたりと調整しています。
つるむらさきは家族が好きでよく使うのですが、季節のおいしい青菜ならなんでもOK!
ひじき炒めを作って置いて、レタスでサラダにしてもおいしいです。
玉ねぎの生食が苦手なのですが、
梅酢で和えておくと辛味もなくて食べやすい。
子どもも食べる場合は玉ねぎは皿の中で別添えに。
もちろん玉ねぎ好きな人は生のままでも!

材料

  • ひじき(戻してある状態で) 100g ※乾物は10g
  • オリーブオイル 大さじ1
  • にんにく(みじん) 1/2片
  • 醤油 大さじ1
  • みりん 大さじ1/2
  • 砂糖 小さじ1
  • つるむらさき 1パック
  • 紫玉ねぎ小 1/2個
  • 梅酢 大さじ1

つくり方

  1. 紫玉ねぎは薄くスライスして水に5分さらし、キッチンペーパーなどに包んで水気を絞り、梅酢を和えておく。つるむらさきは塩を入れたお湯で茹で、斜めに食べやすい大きさにカットしておく。ひじきは乾物の場合は水で戻しておく。
  2. フライパンににんにくとオリーブオイルを入れて火にかけ、ひじきを入れて炒め油がなじんだら調味料を入れて炒める。
  3. つるむらさきとひじき、紫玉ねぎを和える。

使った道具
釜浅商店 小久慈焼 片口 15cm

いろんな大きさをテーブルにおいても違和感なく使えたので、日常使いにとても使い勝手がいいし、ちょっと変化のある形の皿があるだけで食卓に華が。マットすぎず白の色味も好きです。一番大きなものはグリーンのサラダや、フルーツポンチ、花器にもよさそうです。

釜浅商店 小久慈焼 片口 へ

6.

かぶと柿の浅漬け

浅漬けって、自由で楽しい!
残り野菜や果物も時間が調理してくれる。

箸休めに、家にある野菜や果物を適当につけておくと何かと重宝する浅漬けになります。
果物の甘さで十分な方は、お砂糖なしで。
柿を使う場合はあまり熟れすぎてないものがおすすめ。
このところ庭でできたライムをいただくことが多く、
合わせて旨味にナンプラーを使いましたが、
季節の好みの柑橘を合わせて。
柑橘を入れなくても、立派な浅漬けになります。
旨味に昆布を使うと、スタンダード浅漬けに。
食卓に並ぶものや好みに合わせて、塩は1〜2%くらいで漬けてみてください。

材料

  • かぶ 2個
  • 柿 1個
  • セロリ 1/4本
    ※上記合わせて400gくらい
  • 塩 小さじ1
  • 砂糖 小さじ1/2
  • ナンプラー 小1/2
  • ライム 1/2個

つくり方

一口大にカットした野菜と果物をジッパーバックに入れて調味料を入れてよく和える。軽く重石をして1時間〜1晩置く。

使った道具
釜浅商店 小久慈焼 片口 9cm

片口の”口”を活用した使い道、例えば日本酒を入れたり、そうめんのつゆを入れて食卓に置いたり、なんて活用をしやすいのはこの大きさかな、と思いながら使っていました。箸休め的な毎日のおかずも盛り付けやすいので1個じゃ足りない!?

釜浅商店 小久慈焼 片口 へ

ぜひこの記事をシェアして、ご感想をお聞かせください!