レジであせる、あわてんぼさんへ
safujiの小さなお財布シリーズから、
「ミニ長財布」と「こさいふL」の使い方

「僕がレジであわてない人間だったら、こういうものは生まれていないんですけど」
とsafujiの沢藤勉さん。

使い込むほどに革独特の表情が深まり、手になじむシンプルなフォルムが人気の『safuji』の財布シリーズ。
実は、お店でお金を払うとき、とてもスムーズなのはご存知でしたか?
それはスマートに支払いを済ませられる、ある構造にヒミツがあるのです。

ところが実際に使っているお客様と話をすると、その仕組みが伝わっていないのかな、と感じることが度々あるのだとか。

「店頭やイベントなら直接、正しい使い方をお伝えできるんですけど」と思案顔の沢藤さん。
それならば、とくらすことのウェブサイトで、safujiのお財布の使い方について、改めてご紹介いただくことにしました。

すでにお使いの方もそうでない方も、“小銭がたまらない”財布のヒミツを、とくとご覧ください。

もう、レジであわてない。
「ミニ長財布」

海外のお客様に、 “small long wallet” と説明して笑われたこともあるという「ミニ長財布」は、その名の通り、先行して制作していた「長財布」のミニ版。

「小さいお財布を探している方って、多いですよね」と沢藤さん。
お札を折らずに入れられて、カードもたくさんしまえる長財布には、シックな大人の雰囲気が漂います。年齢にふさわしい身だしなみの一環として、二つ折りから切り替える人も多いそう。

ただ実際に使ってみると「ちょっと大きいな」。バッグにしまうにも、ポケットに入れるにも、あと少し小さかったらちょうどいいのに。そこで人々はミニな長財布を探し求めるというわけ。

上・ミニ長財布(ブラック)17センチ。下・長財布(同)19センチ。

−1センチのヒミツは、手縫い

safujiの看板製品「ミニ長財布」は幅17センチ。
多くの製品に19センチはあっても17センチのものはほぼないそう。
たかが1センチ、されど1センチ。小さなプロダクトで、特に持ち歩くものの場合、1センチの差は大きいもの。
いわば大量生産品がなかなか越えられない“17センチの壁”。どこが違うのかといえば……

ミシン縫いの場合、本体を縫い合わせるときは、革を重ねて並縫いするので、縫い代が生じます。
safujiでは、箇所によって手縫いとミシン縫いを使い分けます。ここでは革を回り込ませて手縫いでラウンドに仕上げるため、縫い代分の1センチだけ小さくなります。
1万円札の幅は16センチ。手縫いでしかできない縫製をすることで、ほぼジャストサイズのお財布が可能になるというわけです。

角のラウンド部分に注目。手縫いでしかできない構造。

1万円札は幅16センチ、ミニ長財布は17センチ。

出し入れの多い千円札も、この余裕があれば問題なし。

手縫いは奥様の加奈子さんが担当。「僕より早くて正確だから」

ワンアクションで小銭もお札も取り出しやすい。

さて、ここからが真骨頂。「ミニ長財布」はコンパクトなだけではありません。
冒頭の沢藤さんの言葉にあったように、レジで慌てる原因となる、小銭の見にくさ、取り出しにくさ。これを解決したのがこのかたち。

ワンアクションで、全部見える。レジで「3円出します」と瞬時に言える。

ホックを外して広げると、小銭、カード、お札が全部見える。
よくある小銭入れ用のホックもジッパーもなし! 「ワンアクションで済むようにしたのがポイントです」

小銭入れの部分はアコーディオン状の構造になっていて、ぱかっと大きく開口するのが特徴。
写真のように、コインがフェイスを見せるほど傾けても、ベロがストッパーになって、こぼれる心配がありません。底の方で縦に重なり合って、50円玉と100円玉を間違えるなんてこともないのです。一円玉も、手早くつまんで取り出せます。

ベロの部分がストッパーに。こぼれ落ちを防ぎます。

小銭入れの中には、ショップカードなど頻繁に使うカードを入れるポケットも付いています。
その外側には、カードを5枚ずつ重ねて縦に入れられるポケットも。

1枚ずつカードを入れるポケットはあえてつくりませんでした。
「見やすさはありますが、ポケットの革の厚さ分、シルエットがふくらんでしまうので」
スッキリした薄さも目指すところです。

カード入れは二箇所。ここは縦ポケット。5、6枚ずつ入る。

ラミネートされたカード、診察券など大きめのものや、レシートはこちらに。

ちょっとそこまで、の
「こさいふL」

友達とちょっとランチ、近所にぶらっと飲みに行くとき、気軽にポケットに入れて出かけられるサブのお財布、という位置付けでつくったのが「こさいふL」。
こちらも先行してあったカードサイズのこさいふに対し、ひとまわり大きいサイズという意味合いで「L」がついているのですが、またもや不思議なネーミングと相成りました(「お客様に指摘されるまで気づかなかった」と沢藤さん)。

お札は二つ折りに、小銭入れ、カード入れ。カードは10枚程度入る。

手のひらに収まる、パスケースをふっくらさせたようなサイズ感。
こちらもワンアクションでパッと開く、一覧性の良さはミニ長財布と同様。
1つ違うのは、お札を二つ折りにして入れること。そして、入れ方にちょっとしたコツがあること。次の写真をご覧ください。

横から見たところ。底の部分にお札を滑り込ませているのが見えますか?

お札がスルン、のヒミツ

側面を見ると、アコーディオン状になったポケット部分の底に空間があるのがわかります。
お札を奥まで入れると底に回り込み、はみ出すことなくぴったり収まるのです。
実際にはお札半分のサイズより小さいにも関わらず、お札を四つ折りにしなくてもしまえるのは、こうした構造によるもの。

「革の美しさに頼るのではなく、自分たちが考える機能的な構造を備えたプロダクトをつくっていきたい」というお二人の言葉が思い出されます。

お札が滑りやすいように、札入れの部分は革を貼り合わせ、両面を表革に。シンプルな機能と美しさが一体になっている、safujiならではのプロダクト。
※ミニ長財布にも表革タイプがあり。

〜 コラム その1 〜

手作りのホック

革の表情を味わえるシンプルなデザインのなかで、小さいながらも存在感を放つホック。
じつは金工のできるスタッフが、一つひとつ手作りしています。
並べてみるとわかるのは、隣のものとは光の反射が違っていること。
削り方を変え、金槌で打って形を整えて、あえて均一的な仕上がりを避けているのです。
だから一つひとつ光の角度が異なる。

これを見れば「safujiのだ」とわかる人も多いかも。
ちいさなパーツにも関わらず、アイコン的な存在感を醸し出すのは、丹精込めた手仕事だからこそ。

〜 コラム その2 〜

見てわかる“経年変化”

safujiの財布は使っていくうちにツヤが生まれ、ムラ感など革の表情にも味わいが出てきます。また角が取れ、フォルムが丸みを帯びてくるのも特徴。
「使っていくうちにどんどんかっこよくなっていくプロダクトをつくるのが、僕らのテーマです」

こさいふLとミニ長財布。上が新品、下が経年変化したもの。 毛羽立ちが取れ、ツヤツヤに。

ミニ長財布のグリージオと長財布のキャメルの経年変化はこんな具合。 色合いが深まるのと同時に、革の表情も楽しめる。

次回はsafujiが考える革との付き合い方とこれから、財布のお手入れ方について伺います。

「革小物ブランドsafujiが革ととことん向き合うわけ、そしてお手入れ篇」へ

写真 米谷享
構成・文 松本あかね

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