赤ちゃんのお弁当 その1
〜教える人 セトキョウコ

写真 馬場わかな  構成・文 松本あかね

おっぱいやミルクですくすく大きくなった赤ちゃんも、生後半年もすると、離乳食の時代が始まります。
これまでおっぱいやミルクさえあれば、どこへでもお出かけできた赤ちゃんに、家の外で食事をする機会が訪れます。
とはいえお店のメニューに離乳食はありませんから、何かしら家から赤ちゃんの食べ物を持参することに。
つまり、離乳食の始まりは、赤ちゃんのお弁当の始まりでもあるのです。
そのときになって多くのおかあさんの頭に浮かぶのは、
「離乳食を安全に持っていくにはどうしたらいいの?」 
という疑問ではないでしょうか。かといっていつも市販のベビーフードというのも気になります。
多くのおかあさんと同じようにそんな疑問にぶつかりながら、1つの答えをみつけたのは料理家のセトキョウコさん。
ご自身のお子さんのため、出かけるときには瓶詰めのベビーフードを手作りしていたというセトさんに、
そのレシピと「なぜベビーフードを手作りしようと思ったか」についてお話を伺いました。
3回に渡ってお送りします。

料理家 セトキョウコさんに訊く
瓶詰めベビーフード、手作りの理由

最初の戸惑い —— 離乳食教室に参加してみたら

セトさんが離乳食の瓶詰めを手作りしようと思ったのは、
市主催の離乳食教室に参加したことがきっかけ。
講義がひととおり教わった後、
「夏場は食べ物が傷みやすいので、市販のベビーフードが安心です」とベビーフードの試食がありました。
そこで、ひと口食べたセトさんは、
「これはふだん家で食べているものとは別のもの」という印象をもったといいます。

春から離乳食が始まり、
夏場にお子さんに市販のベビーフードを食べさせる機会もありました。
でも、「一度よく食べたときもありましたが、基本的にはあまり好きではないようで」。
本人が好きではないものを、
無理に食べさせなくてもいいとは思ったものの、
困ったのは「さて、外出どうしよう?」

ひらめき! —— ヒントはジャム作り

料理家という仕事柄、ジャム作りの経験があったセトさん、
ここではたとひらめきます。「自分で瓶詰めをつくってみよう!」

ジャムは瓶に詰めたあと、長期保存のために「脱気」という方法で
瓶内の空気を抜く作業をします。
本来、長期保存のためには糖度、塩分、酸度を調整した上での密封が必要です。
それらを加えない離乳食は長期保存は難しいはずですが、
「その日のうちに食べきるのであれば、一度脱気しておくことで、
お弁当箱に詰めたものより痛みにくくなるのではないか」
と思ったといいます。

そして実際に何度か外出するときに持参してみた結果、わかったのは
「食べさせる前に必ず自分の口で確かめて、作った日のうちに食べきるようにすれば大丈夫」ということ。

お出かけが楽しくなる

じつは、外出時の離乳食をどうしたらよいか方針が定まらなかったころは、
「昼前には帰ってこよう」と焦ったり、
つい外出が億劫になって出不精になってしまったというセトさん。
でも瓶詰めを作るようになると「これで出かけやすくなった」と、
公園へ、友達の家へ、ときには少し遠くの街まで
お買い物へ出かけるようになりました。

今はお子さんも大きくなり、保育園に通っていますが、
セトさんの手元にはそのころ書き留めた離乳食ノートが残っていると聞き、
ぜひその手作りベビーフードの作り方を教わりたいと、ご自宅を訪ねました。

さあ「赤ちゃんのお弁当」教室の始まりです。

prifleプロフィール:
セトキョウコ 料理家。都内を中心にケータリングやイベント出店、雑誌などで活動。月刊『クーヨン』(クレヨンハウス)にて親子のとりわけレシピ&エッセイ「ちいさいおさじおおきいおさじ」を連載中(〜2015年3月)。最新の活動予定はこちらから

かぼちゃのマッシュ 
 —— 前期(5、6ヶ月ごろ)

セトさんの離乳食ノートから、
かぼちゃのマッシュのレシピと瓶詰めの方法をご紹介します。

用意するもの:耐熱性ガラス瓶(30cc
※蓋が金属製のツイストキャップのもの

瓶は煮沸消毒しておきます

1. 鍋にかぶるくらいの水と瓶、蓋を入れ火にかけます。
2. 沸騰したら10分ほど煮沸します。
3. 乾いたフキンの上に逆さにして余熱で乾燥させます。

材料:かぼちゃ…3㎝角5〜6切れ

1. かぼちゃは皮を剥き、3㎝角に切り、お湯で柔らかくなるまで煮ます。
2. マッシャーでつぶして、食べやすい硬さにお湯で調整します。
特にホクホクしたかぼちゃの場合は、とろりとペースト状になるまでお湯を足します。
3. 煮沸消毒して乾かしておいた瓶の9分目まで詰め、ゆるく蓋をしておきます。

10倍粥もいっしょに持っていくなら

1. 米1に対して水10の割合でお粥をつくります。
2. 米を研いでから水と共に鍋に入れ、強火にかけます。
3. 沸騰したらさっと混ぜて弱火にし、蓋をして50分ほどコトコト煮ます。
4. 出来上がったら裏ごしして滑らかにします。

• セトさんはお粥作りにバターウォーマーを愛用。
• 多めにつくって、1回分ごとに小分けして冷凍しておくと便利。

脱気します

1. 蓋をギュッと締める直前まで締めます(少しゆるいくらい)。
2. 鍋底にフキンを敷いて瓶を置き、瓶が半分以上浸るくらい水を入れます。
3. 火にかけて沸騰したら15分、煮沸します。

蓋をきつく締めます

4. 15分経ったら、トングなどで瓶を取り出し(熱いので注意!)、蓋を最後まできつく締めます。
5. 再び鍋に戻し、15分間煮沸します。

できあがり!

食べるときの留意点:
• 作った日のうちにお召し上がりください。
• 食べさせるときは、大人の舌で味を確かめてから。
• 食べ残しは廃棄しましょう。

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