季節のレクチュール#4・秋 その2
Saison de la Lecture#4 – automne – 02

構成・文 松本 あかね
写真 有賀 傑

※レクチュールlecture:(仏)古くはレッスン、講話という意味を持つ言葉

「季節のなかのわたし」をテーマに、セラピストの小川純一さんが3回にわたり、
毎日のなかにとりいれたい、心と体のためのひとときを提案します。

旬のひとさら

旬のくだものをあれこれ取り合わせていただく、
秋ならではの贅沢な食べ方をご紹介します。

秋の実りに感謝をこめて

秋にまつわる、好きなエピソードがあります。

新嘗祭(にいなめさい)という宮中の行事をご存知ですか? 
11月23日の夜、天皇陛下がひとりきりで神さまと対峙し、何時間も祈りを捧げる儀式です。
身を浄めて正装し、今年の五穀の収穫、秋の豊かな実りに感謝を捧げるのです。

秋祭りもそうですが、古来、秋は神さまに感謝を捧げるとき。
お米もできて、くだものも実って、作物も穫れて。
これから冬を越すために地球からたくさんの恵みを受けとっていることを、感じるときです。

僕はスーパーや市場で買ったりするだけだけれど、毎年この時期にはそういう感情がわいてきます。
昔の人が普通にしていた、「今年もたくさん穫れたから、神さまにお礼をいいましょう」という感覚、みなさんも心に留めてみてはいかがでしょう。
祈りと感謝、このふたつは必ず循環して自分にかえってくるものだから。

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秋の果実と白玉のパンチ

ぶどう、いちじく、柿、洋梨をサクサクと切って、やわらかな白玉と、りんごジュースと和えて、カンパリをほんのり効かせました。
食べるときは、すだちやかぼす、秋の柑橘をキュッと絞って。絞ったら皮もそのままグラスに入れて、香りを楽しんでください。

ここでは4種のくだものを使いましたが、あるものを適当に使えばよく、二種類でもおいしいです。
特別なグラスでなくても、家にあるコップにいれてもかわいいと思います。

材料
秋のくだもの(今回は、柿、いちじく、ブドウ、マスカット、和梨、洋梨を使用) お好きなだけ
☆りんごジュース  
☆クコの実 
☆白玉粉 
かぼす(檸檬やすだちでも) 1個
☆カンパリ・リキュール(お好みで)
(☆はくだものの量に合わせて適量を。)

  1. ぬるま湯で戻したクコの 実、くだものはひと口大の大きさにカットして全てをボールに入れる。
  2. ほんのり香る程度、カンパリ・リキュールを加えたリンゴジュースを1に加え、全体に馴染ませる。
    ボウルの底の方だけジュースに浸っている程度の量で良い。
  3. 2.をそのまま30分程度、冷蔵庫で寝かせ、その間に白玉をお好みの量茹でて、冷水にさらしておく。
  4. 冷蔵庫から2を取り出し、白玉を加え混ぜてからグラスに盛り分ける。
  5. 最後に1/8にカットしたかぼすをグラスに添えてできあがり。

秋の夜のすごし方 〜灯り〜

良い朝を迎えるには、良い夜をすごすことが大切です。
僕のいつもの夜のすごし方から、「灯り」と「眠り」をテーマにご提案したいと思います。

夕陽を見る

日中、バタバタと忙しくしていると、夜も心がザワザワしたままになりがち。
秋の日は釣瓶落とし、と言うように、気がついたら真っ暗ということも多いかもしれませんが、この昼と夜の境目の時間を使って心と体をゆったりしたモードに切り替えていくことで、夜の時間の過ごし方も変わってくるように思います。

僕の場合、夕暮れどきは、屋根の上に座って夕陽を見てぼぉーっとするのが日課です。
スコレーの屋根からは、お天気がよいとくっきりと富士山、そして太陽が沈むところが見えます。

夕陽は気の乱れを整えてくれます。
太陽が沈んでいくさまを見ていると、波打っていた感情もクールダウンして、だんだん心が静まっていきます。
気持ちが不安定になったり、心がざわつきやすい秋は、夕陽を眺めて気持をリセットする。
そんな時間を意識してとってみてはいかがでしょう。

灯りを減らす

自然界の夜は徐々に暗くなっていくものです。
眠る直前まで、蛍光灯やパソコンの光を見続けるのは、人間くらいでしょう。

明るいと、体は活動状態のままになってしまいます。
僕は日が沈むと、明るさを少しずつ減らすようにして、部屋の灯りをともします。
間接照明で部屋の明るさを調節して、体を闇になじませる。
そうやって睡眠を迎える準備をしています。

キャンドルのバスタイム

お風呂にキャンドルの灯りだけで入る、これお薦めです(換気には気をつけてください)。
お風呂の照明は蛍光灯というお宅も多く、やけに明るいお風呂ばかり。
せっかくのリラックスタイムなのに、心が安らぎません……

無印良品で買ったティーライトキャンドルを、背の低いコップやジャム瓶に入れて火を灯します。
たったこれだけなのに、すごく美しく、気分がよく、あたたかい気持ちになれて、疲れもとれていくのがわかります。

夏はシャワーで済ませていたという人も、そろそろゆったり湯船に浸かって、心と体をほぐす習慣を取り戻したいもの。
そのきっかけとしても、キャンドルのバスタイム、お薦めです。

JUNICHI OGAWA
セラピスト 大阪出身 鎌倉在住
都内でのケータリング活動を経て、東日本大震災をきっかけにセラピストの道へ。現在は自宅兼アトリエ「yama no schole(山のスコレー)」を鎌倉に構える。スピリチュアルやハーブセラピー、自然療法などのホリスティックな観点から、暮らしと健康、料理の提案をする。「MATRICARIA」(マトリカリア)としてハーブティと焼き菓子の活動も行う。小冊子「MEME spirit&life magazine」を不定期で発行。
junichiogawa.com

MEME

「本当の私と出会う」をテーマに、スピリチュアルな感性をもっと身近に感じるスピリット&ライフマガジン『MEME(ミーム)』。カウンセラーであり、アーティストである小川純一さんが自ら編集長になって立ち上げた小さな冊子です。

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MEME spirit&life magazine issue #02

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