フルーツ・ジャーナル vol.5(中編) 2021AW by fruits of life
Fruits of lifeの服作りは、いつも生地との出合いから始まるから、
素材のバリエーションが増える秋冬は、とりわけ期待が高まるシーズン。
オールブラックのオケージョンシリーズ、
人気の水玉の新アイテムの着こなし、
ニットベストのくらすこと特注カラーにも注目して。
〜 Contents 2 〜
写真 米谷享
文 松本あかね
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冬のオール・ブラック・スタイル
ジャケット、スカート、パンツ……
今季登場したオケージョン対応の黒いアイテムを
カジュアルに着こなす、普段の日のためのコーディネートはこちら。
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01
透け感のあるコットンシルクのブラウスと、ニットベストの新色ブラックを合わせて。
ニットと合わせるとカジュアルに着られます。
ポイント
ニットはブラウジングを短めに。スカートにボリュームがあるのでトップはコンパクトにまとめて。
そばにいてほしいオケージョンアイテム。
― オケージョンというと、冠婚葬祭、入学式や卒業式のときに着るイメージですが、なかなか、そういうときにしっくりくる服が探せなくて。
大橋さん そう、難しいんですよ。かといって、黒い服だったらなんでもいいかといえばそうでもない。私も親戚のお葬式で母に叱られるという経験をしています。そういうこともあって、オケージョン用の生地はずっと探していたのですが、ようやく見つけたのがこの「トロピカル」という薄手のウール。
―ほんとに薄い!
大橋さん そうなんです、さらっとしているから通年着られますし。いざというときの心算もありつつ、普段のお勤めやお出かけにも着ていただけるシリーズとして作りました。
― まだ喪服は…という方も、まずはこういう形で持っておくと安心かもしれないです。
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02
太めの袖は八分丈。
アームホールが広いから動きやすい。
光沢のあるベロアのパンツを合わせて。
新しい通勤着スタイルに
― ノーカラージャケットはずっと作り続けているアイテムです。
大橋さん 去年の春夏に作ったリネンのジャケットと同じ型のものを、今度はウールで。
― ボタンレスでとてもシンプル。
大橋さん ジャケットもこういうパンツと合わせるとグッとカジュアルになります。
― 膝下からは細くなっていて、テーパード型とよびたい。
大橋さん 去年の秋冬、大人気だったのでリピートして作りました。腰回りはサルエル風にゆったりしているからラクなんですよ。
― ウエストはゴムですし。
大橋さん コロナ太りでこれまでの通勤用パンツが入らないという話も聞こえてきて。そういう方にもおすすめしたいです。
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03
上質なウールは光の当たり具合でほのかな光沢が。
ボートネックのニットと合わせるとカジュアルな雰囲気に。
水玉ワンピースを前開けで羽織って。
ポイント
美しい落ち感。生地そのものの良さが伝わる、シンプルなデザイン。
上質なウールをまとう幸せ
大橋さん わかります? これイタリア製の生地なんです。
― どれどれ?
大橋さん よーく見ないとわからないけれど、オケージョンシリーズの中で、このワイドパンツだけ、生地が違います。心もちツヤのある、薄手のウール生地です。
―上質な生地をたっぷり使った贅沢仕立て。ワイドだけど軽やか。
大橋さん ワイドパンツは定番アイテムだけれど、ウールで作るのはこれが初めて。
― 生地が違うと、同じデザインでもニュアンスが変わる。そこが服作りの醍醐味なんですね。