フルーツ・ジャーナル 2019AW by fruits of life

2018年にスタートしたスタイリスト大橋利枝子さんのブランド、『fruits of life』。
着こなし次第でいろんな表情を魅せてくれるから、
1着あるとおしゃれの幅が広がります。
今季、くらすことに届いたラインナップから、
1着1着にまつわるストーリーをお届け。
大橋さんによる着こなしのコツ&レクチャー付き!

〜Contents 1〜
ピックアップ!2019AWのコートとローブ

fruits of life アンゴラコート ブラック
fruits of life シルクボウタイブラウス ブラック
fruits of life コットンワイドパンツ ネイビー

1着あると自信になる。シックで華やかなブラックコート
(アンゴラコート ブラック)

なめらかなアンゴラの手触り、
着るというより、まとうような着心地。
好評につき、昨季に続いてお目見えするアンゴラコートは
キャメル、ブラックの2色展開。この冬はブラックに注目!

① たっぷりした生地がつくる自然なAライン。

② 流れるような落ち感。へちま襟で柔らかな印象に。

③そぎ落としたデザインで後ろ姿もシック。後ろの肩周りはラグランスリーブで中に着込んでも動きやすいつくりに。

黒を軽やかに着る

——去年の特集では、キャメルをご紹介したのでした。
大橋さん 黒とどちらにしようか悩む方も多かったんですよね。
——生地はアンゴラ。
大橋さん そう、だからマットな感じではなく、艶のある黒といったらいいかな。
——同じ黒でも素材によって違って見えてくるんですね。
大橋さん 少し起毛していて、その質感で重くならないのもポイント。黒でもこの生地なら地味にならないんです。
——大橋さんのつくるコートにボタンレスが多いのは?
大橋さん ボタンが見えるとどうしてもカジュアルになってしまうので。このコートの場合、シンプルなデザインでつくりたいという思いがあったんです。
——シックでいて、華やかさもありますね。
大橋さん おでかけにもいいです。良い生地を使ったコートだと、どこのホテルやレストランのクロークに預けるときも、恥ずかしくないですよ。
———クリーニング屋さんが褒めてくれて嬉しかったとか。
大橋さん 「素敵なコートですね」って。ずっと通っているのに、そんなこと言われたの初めて(照)。

fruits of life アンゴラコート ブラック

サイズ:着丈100cm、身幅48cm、裄丈72cm
素材:アンゴラ60%、ウール40%

¥68,000FOL-19AW040-BK

※価格はすべて税別

この秋、注目のテーラードスタイル。フェミニン&マニッシュに
(ウールローブ チャコールグレー)

毎シーズン、生地やデザインを変えて登場するローブは、
ぜひワードローブに加えてほしい、おすすめアイテム。
今期のローブにはテーラードカラーを採用。
ベルトの結び方でガラッと印象が変わる、
ふた通りの着こなしをご紹介します。

1.前結びでフェミニンに

ノットを小さめにしてフロントで固結び。前身頃同士は重ねないのがポイント。すっきり見せて。

① ベルトを両手で持ち、キュッと上に持ち上げてから結ぶのがコツ。きれいなブラウジングができる。

② ベルトは後ろでギャザーを寄せて縫い付けてあるから、そのまま結ぶだけできれい。

fruits of life ウールローブ チャコールグレー
fruits of life シルクボウタイブラウス ブラック
fruits of life シルクギャザースカート ブラック(参考商品)

つま先まで黒とグレー
全身、黒とグレーでまとめたコーディネート。足元は『que』とコラボレーションしたベロア革のミュール(グレー)を。

2.後ろ結びでマニッシュに

少しサイドの布を寄せて、片結びにして垂らすように。

① ベルトは後ろで結ぶか、ポケットに入れて。さらりと羽織るイメージ。

② 襟の角を取り、丸みを持たせて、かっちりしすぎないテーラードスタイル。

③ ベルトの両端をポケットに収めた場合。ギャザーが後ろ姿のアクセントに。

足元もメンズライクに
ワイドパンツからのぞくプレーントゥ。マニッシュスタイルの仕上げは、メンズライクなシューズで。

今季一番の人気アイテム

——ローブはこれまでにもいろいろなタイプをつくってきましたよね。
大橋さん 昨年の秋冬はウールビエラというやわらかい生地で。今年はそれより厚みのあるウールジョーゼットで仕立てました。
——テーラードカラーは今季のトレンドみたいです。
大橋さん そう? あまり外を見てないから…でもね、今年はボウタイも流行っているみたい(※ボウタイについてはコラム(近日公開)参照)。
——トレンドを意識しなくても、自然に反映されているあたり、本当に肌感覚なんですね。

——ローブは大橋さんおすすめのアイテム。なぜですか?
大橋さん 「この人おしゃれかも?」という雰囲気を醸し出してくれるから。
——そこは雰囲気なんですか?
大橋さん おしゃれというのは人それぞれ。ルールがあるわけじゃないから、実は曖昧なもの。おしゃれに見えるというのは、雰囲気でおしゃれに見えているの。
——といいますと?
大橋さん 例えば、シンプルなシャツとパンツだけで素敵に見せるのって、難しくない?
——身に覚えが…若いときは大丈夫だったはずなのに、今は鏡を見ると「あれ?」って。
大橋さん そういうシンプルな装いに足すと、体型もカバーできるし、雰囲気をつくるのを助けてくれるんです。1枚あるだけでおしゃれに見える魔法のアイテム。
——魔法をかけてくれるんですね。
大橋さん 1枚仕立てだから季節的に中途半端かなと思っていたけれど、このローブが一番人気だったな。
——おお!
大橋さん 寒くなったら中にインナー用のダウンを着てくださいね。

fruits of life ウールローブ チャコールグレー

サイズ:着丈105cm、肩幅37cm、身幅54cm、袖丈56.5cm
素材:ウール100%

¥48,000FOL-19AW032

※価格はすべて税別

ちょっぴりシノワズリー。リバーシブルで楽んで
(キルティングコート ブラック)

今季注目のアウターとして、最後にご紹介するのは、オリジナルのキルティングでつくったコート。
軽くて暖かく、どこか異国の香りのするデザイン。
大橋さんのこだわりが随所に詰まっています。
リバーシブルそれぞれのコーディネートをお届けします。

1.シルク×ブラック

① シルクを表に。袖は深めにまくって、水玉模様を見せてアクセントに。

② サイドのスリットから「チャイナローブ 水玉」をちらり。

③ 張り感のあるAラインのシルエット。

④ すっきり見えるバックスタイル。

fruits of life キルティングコート ブラック
fruits of life チャイナローブ 水玉(参考商品)

2.コットン×水玉

① 水玉のコットンと黒のシルクのリバーシブル。中国の伝統的な綿入れがインスピレーション。

② 身長155センチの大橋さん。全身すっぽり暖か。

③ 袖はまくって着られるよう、長めにデザイン。

④ インナーにはカンフー服をイメージして、光沢のあるシルクコットンのカットソーとパンツのセットアップを。

チャイナ風キルティングコート

大橋さん 中国の人が着ている綿入れをイメージしたコートなんです。
——思い浮かびます、北京の市場の売り子さんたちとか…今回、生地からつくったんですよね。
大橋さん シンサレートという高機能綿を、コットンとシルクで挟んでキルティングにしました。
——とても軽くて暖かい。
大橋さん シルクも保温性がありますしね。
——キルティングでシルクというのが、おとなっぽいです。
大橋さん 袖を長めにしてあるので、ロールアップして内側の水玉を見せたり、スリットから水玉のスカートがのぞくのもかわいいと思うんです。
——ちらリズムですね。コットンシルクのセットアップを合わせていたのも、カンフー服みたいでかわいかった!そんな遊び心も楽しいです。

fruits of life キルティングコート ブラック

サイズ:着丈106cm、身幅54cm、肩幅38cm、袖丈59cm
素材:表地 シルク100%、裏地 コットン100%、中綿 ポリエステル 100%

¥64,000FOL-19AW034

※価格はすべて税別

Contents 2 「さらりと着る、おとなの水玉」とコラムはこちらから

大橋利枝子

スタイリスト/デザイナー。雑誌『オリーブ』を経て雑誌、広告のスタイリストとして活躍。2012年『FLW』デザイナーに就任。2018年、衣服と暮らしまわりのものを扱うブランド『fruits of life』をスタート。著書に『おしゃれっていいもの』『FLWのソーイングとスタイル』(いずれも文化出版局)など。