
整体の祖と言われる野口整体を基礎として、指導活動をされている「と整体」の川﨑智子さん。人間の心身と社会を整体の視点から捉え直す「整体対話読本」シリーズの出版や、くらすことのウェブマガジンで連載中の、普段の生活に生きる整体の知恵を15コマの漫画で描く「地球のさわり方」など、すこやかに生きるための手がかりとなる体の話を、私たちに教えてくれる存在です。
そんな川﨑さんをお迎えして、くらすことのギャラリーで開催した「整体のお話と対話の集い+大質問会」。当日は参加者のみなさんからいただいたひとつひとつの質問に、川﨑さんがじっくり応えていく時間になりました。
仕事、お金、孤独、夫婦のこと、そしていちばん近くて遠い「わたし」のことーー対話の中に出てくる悩みや気づきは、あなたの今と想像もし得なかったこれからにつながっていくかもしれません。
生きるさまざまをからだ、整体を通して捉えなおす集いとなった対話のもようを、Q&A形式でお届けします。
お話:川﨑 智子(と整体)
司会:藤田 ゆみ(くらすこと)
質問:参加者のみなさん
構成・編集:野上 麻衣

こうやってお話をみなさんで聞くってなると、最初は緊張されると思うんですけど、お悩みでも困ったことでも、みんなで話を聞いてる間に体って変わってくるのもあって。普段、みんな「聞いてほしい」と思っても誰に話していいかわからなかったりね。
だけど逆に自分が話を聞く、他のひとの話を聞くことで、自分の言いたいことが整理されたりとか、悩みもちょっと形が変わったりとか、そういうものが対話の特性としてありますので、今日もよかったらお話を聞いて「自分がどう聞いてるのかな」とか「なにが言いたかったのかな」っていうものをお持ち帰りいただければ。悩みの形が変わればいいかな、と思っていますので、どんどん質問していただいて、お答えできるところはお答えしていきたいと思っています。
今日は整体のお話なので、「整体ってなに?」っていうところからお願いします。
整体に関心があっていらっしゃってる方もあるでしょうし、自分のことで「ちょっと聞きたいな」と思っていらっしゃっている方もあると思うので。整体って一般的にみなさんの中にある感じでいうと、お店の看板があって「10分で体の矯正が」っていうイメージが大きいと思うんですけれども、わたしが今まで活動してきて、整体活動っていうふうに表現してたりもしますので、「なにを整体というか」っていうと、自然に体が、ある程度は自分の力で整っている状態のことっていう意味での整体ですね。
だから他動的なものよりも、まずご自分の体の中に「元気にいろんなことやっていきたいよ」っていう力があることに気が付く。気付くっていうときに整体を活用していただきたい。そこが一般的にいう整体とのちがいで、「整体の状態である」という意味で整体の本を出しました。
そうすると「整体って自分でどういうふうにやっていくの?」っていう次の質問が出ると思いますから、その次になにが出てくるのかと言ったら、まず自分に関心を持っていただきたいな、と。
整体は自分をみんなに見てもらうためのものです。自分の働きに関心を持ってもらうっていう視点ですね。そこは「わたしっていう運動はどうなっているのかしら」っていう意外と具体的なこと。
なので自分に興味を持ってもらって、なにより大切なのはご自身はおひとりしかいないので。一人ひとり、今までやってきて、今日ここにいらっしゃって話を聞くまでには、「ご自身というものがしっかりあるから」と言うことができます。「それはなにが支えているんですか?」っていうことですね。
ここはやはり、自分以外のひとから学ぶっていうのが人間のすごいところです。自分以外のひとから自分のことを教えてもらえる。こっちに興味を持ってもらうといいのかな、と思ってます。
ですから、具体的に「整体ってなに?」と聞かれたらですね。自分の働きに気づく方法っていうふうに、まずは簡単にお話できるかもしれないです。